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猫にきゅうりを与えてもよい?水分補給になる?猫にきゅうりを与えるメリットと注意点

きゅうりを抱えてかじる猫

1年を通して定番の野菜のひとつであるきゅうり。とくに夏が近付いてくると、シャキシャキした食感が恋しくなりますよね。

そんなきゅうりですが、猫に与えることはできるのでしょうか?

今回は、猫にきゅうりを与えるメリットや注意点などをご紹介します。

きゅうりならではの魅力や危険性などを知り、安全な方法で猫と食事の時間を楽しみましょう。

きゅうりは猫に食べさせても問題ない!

スライスしたきゅうりを食べる猫

結論から言うと、猫にきゅうりを与える際は量や与え方を守れば問題ありません。

きゅうりは「最もカロリーが低い果実」としてギネスブックに認定されており、与え方を間違えなければダイエット食のサポートとしてもおすすめの野菜です。

また、世界には約500種類のきゅうりが存在していますが、日本で主に出回っているのは白イボキュウリ・加賀太きゅうり・大和三尺・四葉キュウリ・四川キュウリ・イボ無しキュウリの6種類です。どの種類のキュウリも猫に与えてよいとされています。

猫にきゅうりを与えるメリット

フードを食べる猫

身近な野菜であるきゅうりですが、猫にとってもさまざまなメリットがあります。

きゅうりに含まれる栄養素を学び、猫の健康をサポートしましょう。

水分が多く熱中症防止になる

きゅうりは全体の95%が水分で構成されており、野菜全体を見てもトップ3に入る水分量を誇ります。同じく水分が多い野菜として知られるスイカの水分量が89%であることと比べると、どれだけ多いかわかりますよね。

水分を豊富に含むきゅうりを食べると体が内側から冷やされるため、水分補給用の食材として役立ちます。脱水・夏バテ・熱中症を防止してくれるため、暑い季節にはぴったりです。

とくに普段あまり水を飲まない猫には、おやつの代わりにきゅうりを与えることで体内の水分量を調整できます。

乾燥する冬場も脱水の危険性があるため、1年を通して水分を補給してくれる優秀な食材だといえるでしょう。

カリウムで代謝アップ

カリウムは代謝を上げる主要必須ミネラルのひとつで、細胞が正常に機能するために欠かせない成分です。

体内の塩分を排出することで血圧を維持し、健康をサポートします。

また、カリウムには利尿作用もあるため、体内の水分量をコントロールしてくれます。

とくに下痢が続くと水分とカリウムが同時に失われるため、両方を兼ね備えるきゅうりは体調維持に役立つ食材だといえます。

βカロテンで健康サポート

βカロテンは、猫の被毛を健康的に維持してくれる成分です。

また、視力維持にも役立つといわれています。

強い抗酸化作用があるため、がんや心臓病の予防、コレステロール酸化を防ぐ働きに期待できるでしょう。

さらにカロテンには呼吸器系統を正常にする作用もあります。

ビタミンKで骨も血液も健康に

ビタミンKは、血液の凝固に必要な成分です。

カルシウムが骨に定着するのをサポートしてくれるため、骨を健康な状態に維持してくれるでしょう。

ビタミンKは猫の体内でも生成されますが十分な必要量には足りず、食事からも摂取する必要があります。

カロリーが低く肥満になりにくい

きゅうりはカロリーが低いため、おやつとして与えても太りづらい傾向にあります。

猫にダイエットや肥満防止を目的とした食生活をさせていると、食欲が満たされずにフラストレーションを溜めさせてしまうことがあるでしょう。とはいえ副食やおやつはカロリーが高い場合が多く、飼い主さんの頭を悩ませるものです。

きゅうりのようなローカロリーな野菜はダイエット中のご褒美やおやつに適しており、ごはんにトッピングすることでカロリーを増やさず満足感を高められます。

猫にきゅうりを与えるときの注意点

カットされたきゅうり

与えすぎは下痢の原因になる

きゅうりは豊富な水分を含む食材のため水分補給に適していますが、与えすぎると下痢の原因になります。

また、きゅうりに含まれているカリウムは適量であれば健康維持に役立ちますが、摂取量が増えると高カリウム血症という病気を発症することがあるでしょう。

きゅうりに限った話ではありませんが、人間と同じように猫にも「同じ物を食べられる許容量」があるものです。

猫にきゅうりを与える場合は、体重4kgの場合は1日15gを目安にしましょう。

きゅうり1本の重さは約100gであるため、1本を6分の1~7分の1程度にカットして与えてください。

また、シニア猫や子猫は消化機能が弱っている可能性があるため、なるべく与えないようにしましょう。

栄養素の総量が少ないので主食にはならない

きゅうりには多様な栄養価が含まれていますが、栄養素の総量自体は少ない食材です。そのため、総合栄養食の代わりにはなりません。あくまで普段の食事のトッピングやおやつとして与えるようにしましょう。

また、総合栄養食の表示があるフードは「この食事を与えているだけで、健康的に生きるために十分な栄養バランスが摂れる」というものです。

きゅうりを与えなくては補えない栄養素はないため、猫があまり食べない場合は無理に与える必要はありません。

皮を剥いて薄くスライスして与える

猫は人間との生活を送る中で雑食に近い食生活をしていますが、本来は肉食動物です。そのため、きゅうりを始めとした野菜全般の消化が苦手な傾向にあります。

とくにきゅうりは実よりも皮の部分の消化がしづらいため、消化不良を引き起こす原因になります。

猫にきゅうりを与える際は、包丁やピーラーで皮を剥いてあげましょう。

また、消化しやすいように可能な限り薄くスライスしたりみじん切りしたりして与えてくださいね。

腎臓病を患っている猫には与えない

腎臓を患っている猫にきゅうりを与えると、高カリウム血症の発症リスクが上がります。

きゅうりに含まれているカリウムは腎臓で一旦ろ過された上で排出されるため、腎臓が正常に動いていないと血中にカリウムが残ってしまうからです。

高カリウム血症は場合によっては心臓機能を乱すこともあり、命に関わる病気です。

腎臓病の診断をされている場合や医者から注意を受けている場合は、きゅうりを与えないようにしましょう。

また、猫が腎臓を患っていなくてもカリウムの過剰摂取が不安な飼い主さんは、猫に与える前に30分~1時間程度水に漬けておくことをおすすめします。

カリウムは水溶性のため、1時間程度でほとんど溶け出します。

反対にカリウムを栄養素として与えたい飼い主さんは、長時間濡らさないようにしてくださいね。

加工品は基本的にNG

手作りピクルスと猫

猫にきゅうりを与える際は、ピクルスやぬか漬けなどの加工品を避け、生のものを選びましょう。

生の状態でも、マヨネーズやドレッシングをかけてはいけません。

とくに人間用のドレッシングには、猫に有害なたまねぎが含まれている場合があります。命に関わる重篤な症状を起こす可能性があるため、絶対に与えないように心がけましょう。

最初は少量ずつ与える

猫よっては、アレルギーを発症する可能性があります。

最初に与える際は極少量にして、体調に変化がないことを確認してから少しずつ増やしてあげてください。

とくに、スイカやメロンなどでアレルギーを起こしたことがある猫には与えないようにしましょう。

ウリ科のアレルギーでは、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみ、元気がなくなる、目の充血などが特徴的です。

もし違和感を抱いたら、自己判断せずにすぐに動物病院を受診してくださいね。

長いままのきゅうりを猫に見せない

怖がっている白い猫

過去に、インターネットを中心にある動画が話題となりました。内容は「ごはんを食べている猫の後ろにきゅうりを置くと、振り返った猫が驚いて高くジャンプする」というものです。

猫の反応の大きさや跳躍力にインパクトがありユニークな動画として話題となりましたが、専門家は飼い主の行動に警鐘を鳴らしています。

猫がきゅうりにびっくりする理由は、「長いきゅうりが蛇に見えたため回避行動を取った」「突然未知の物体が置かれていたことに驚いて過剰反応した」からといわれています。

きゅうりを置いて驚かせるのは、猫に大きなストレスを与える行為です。

恐怖心がストレスになるだけではなく、飛び上がった拍子に怪我をしてしまったり、飼い主への信頼が失われてしまったりすることもあるでしょう。

また、家という空間が猫にとって安全な場所ではなくなり、リラックスできなくなってしまう可能性もあります。

決して、面白半分で猫の後ろにきゅうりを置かないようにしてください。

とくに、蛇と誤認しやすい長いままのきゅうりは厳禁です。

猫に与える際はスライスしたりみじん切りにしたりすること、カット前のきゅうりは見せないことを徹底しましょう。

まとめ

夏野菜と見上げる猫

今回は、猫にきゅうりを与えるメリットや注意点をご紹介しました。

夏は暑さが厳しく、普段は健康な猫でも脱水や熱中症の危険が高まります。とくに長毛猫はリスクが高く、飼い主さんの不安も高まる時期でしょう。

水分たっぷりのきゅうりを少量与えることで、水分補給の助けになります。

さまざまな栄養価も含まれているきゅうりを適切・適量に活用し、猫の健康をサポートしましょう。