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巨大なポメラニアンが話題!犬の「先祖返り」って何?デカポメの魅力や特徴も!

笑顔のポメラニアン

ポメラニアンといえば、小柄な体に細い足が特徴的な、小型犬の代表格です。

足元をチョコチョコと走る姿が可愛らしく、小型犬らしい快活さを感じさせますよね。

しかし昨今では「デカポメ」がネット界を賑わせています。まるで大型犬?!と思ってしまうような、超巨大なポメラニアンが話題なのです!

今回は、「デカポメ」こと大きなポメラニアンの魅力についてご紹介します。

愛らしいお顔のまま体と被毛のボリュームがアップしたデカポメには、特有の魅力がたくさんありますよ。

「デカポメ」って何?超・大きいポメラニアンが話題に!

櫛で毛並みを整えられるポメラニアン

こんな大きなポメラニアン見たことない!

どの犬種にもスタンダードとされるサイズがありますが、当然ながら平均よりも小さなサイズや大きなサイズの犬も日常的に誕生します。

サイズも個性のひとつですが、ときには目を見張るほどに大きい・小さい個体が生まれることもあり、話題の「デカポメ」もそのひとつです。

可愛すぎるデカポメとして話題になったのは、妖(よう)氏の飼育するポメラニアンの男の子「ぽめお」君です。まずは、デカカワなぽめお君の姿をご覧ください!

これほど大きなポメラニアンは見たことがありません!可愛い……!

ドアで待ち受ける巨大なモフモフ生命体。お、大きい!

朗らかに笑うぽめお君。癒される……!

車の後部座席に乗ると、このようなサイズ感です。小さな子どもよりも大きくて驚かされます。

被毛もモッフモフです。顔をうずめたくなりますね!

柴犬のお友達と比較すると、その大きさがよくわかります。

いかがですか?思わず笑ってしまうほど大きく、そして抜群に可愛いですよね。

ポメラニアンのビジュアルはそのままで、サイズだけこんなにも大きくなることがあるのですね……!

デカポメの理由は「先祖返り」

実はぽめお君を含むデカポメが誕生するのには、理由があります。ぽめお君だけがいきなり大きく誕生したわけではありません。

その理由とは……「先祖返り」です。

先祖返りとは、何世代も前の先祖が持っていた遺伝上の形質が、突然子孫である個体に現れる現象を指します。帰先遺伝ともいい、人間にも起こるものです。

ポメラニアンだけでなく、ルーツとなる犬種を持つ犬すべてに起こり得ます。

現在の姿と先祖の姿に大きな乖離がない場合は、先祖返りしてもあまり気付かれることはありません。

しかしポメラニアンの場合は先祖が中~大型の「ある犬種」であるため、先祖返りすると大きな体を持って生まれる傾向にあるのです。

本来のポメラニアンの大きさは?

ポメラニアンの子犬を抱く女性

ポメラニアンは骨格の細い小型犬

もともとポメラニアンは、小型犬の中でサイズに差が出やすい犬種だといわれています。

生後30日の平均体重は約500g、生後90日では1kg前後です。生後7ヵ月頃までは、他の犬種と同様にどんどん体重が増えていきます。

7ヵ月を超えると成長が落ち着き、1歳の誕生日を迎えた頃のサイズが成犬時のサイズといってよいでしょう。

成犬時のポメラニアンの標準サイズは以下になります。

・オス:体重1.8~2.5kg/体高18~22cm
・メス:体重1.5~2.3kg/体高17~21cm

ポメラニアンは小型犬の中でもチワワに次いで体が小さく、骨格が細いため骨折に注意が必要な犬種でもあります。

なかには10kgを超えるデカポメも!

それほど小さな犬種であるポメラニアンですが、先祖返りしてデカポメになると10kgを超える巨体に成長することがあります。

10kgといえば、柴犬の平均サイズ(9kg)よりも大きいことになります。

日本スピッツの平均サイズが9~10kg、ビーグルの平均サイズが7kg~12kgとされているので、それらの犬種とほぼ同じと考えれば「本当にポメラニアン?!」と疑ってしまうようなインパクトであると想像できます。

ポメラニアンの先祖はあの犬種!

紫の花と二頭のサモエド

ポメラニアンが生まれるまで

ポメラニアンは1767年にヴィクトリア女王の祖母であるシャーロット王妃がイギリスに持ち込み、愛好したことから広まったといわれています。

当時のポメラニアンは小型犬とはとてもいえない程に大きく、体重は14~23kgもあったそうです。

ヴィクトリア女王が展覧会に出陳したポメラニアンが優勝したことにより「女王の犬」として人気を博し、小型化の方向に改良が進み現在のサイズに至ります。

ここで疑問となるのが「なぜ昔のポメラニアンはそんなに大きかったの?」という点ですが、それにはポメラニアンのルーツが深く関わっています。

実はポメラニアンの先祖として考えられている犬種は……「サモエド」なのです。

つまりポメラニアンが先祖返りして大きくなる原因は「先祖であるサモエドの遺伝子が突然子孫に現れたから」だといえるでしょう。

サモエドの特徴

サモエドは「現存する犬種の中で最も美しい」といわれる、真っ白でフワフワな毛並みが特徴の犬種です。

もともとは、シベリアやロシア北部に暮らしていたサモエド族に飼育されていました。

平均体重は19~30kg、体高は48~60cmの中型犬です。ジャパンケネルクラブの定義では25kg以上は大型犬と定められているため、大きめのサモエドは大型犬といって差しつかえないでしょう。

中型犬と思えぬサイズだけではなく、がっしりとした骨格も特徴的です。かつては数世紀に渡り、トナカイの群れの移動や熊狩りを手伝ってきた歴史を持ちます。

極寒の雪原の中で生き抜くため、逞しい体つきとゴージャスな被毛を持った犬種です。

そんなサモエドの遺伝子が現代のポメラニアンに先祖返りしたら、驚くほどに巨大なポメラニアンが生まれるのも頷けますよね!

ドイツではジャーマンスピッツの一種

ポメラニアンのルーツを、サモエドからさらに遡ってみましょう。

ポメラニアンを広めたのはヴィクトリア女王の出陳ですが、原産国はドイツです。実はドイツではポメラニアンという名前では呼ばれておらず、ジャーマンスピッツの一種である「ツヴェルク・スピッツ」もしくは「クライン・スピッツ」として知られています。

わかりやすく例えるなら、プードルがスタンダードプードルやミニチュアプードルのようにサイズで分けられているのと同じです。

ジャーマンスピッツは、大きい方から順に以下の種類に分けられます。

1. ウルフ・スピッツ
2. ジャイアント・スピッツ
3. ミディアム・スピッツ
4. ミニチュア・スピッツ
5. トイ・スピッツ

この中でもポメラニアンは、一番小さい「トイ・スピッツ」に該当する犬種です。

ルーツであるジャーマンスピッツは体重18~20.5kgの中型犬のため、先祖返りをするともともとの大きさの遺伝子が呼び起こされ、やはりサモエド同様に体が大きくなるのといわれています。

(注:サモエドとジャーマンスピッツの歴史はともに古く、どちらの犬種が先に誕生していたのかは所説あります)

先祖返りしたポメラニアンの特徴

落ち葉と二頭のポメラニアン

普通のポメラニアンよりもケガをしづらい

ポメラニアンは小柄であることも人気の理由の一つですが、骨格が細く華奢であることから怪我をしやすい傾向にあります。

ソファーや階段などの段差でも怪我をするリスクがありますが、先祖返りしたデカポメは骨格がガッシリしているため怪我をしづらいのが魅力です。

骨太な中型犬と同じように、安心して散歩や運動が楽しめます。

カットスタイルが楽しめる

先祖返りしてサイズが変わっても、ポメラニアンの象徴でもあるフワフワの被毛は健在です。むしろ体が大きくなった分だけ全体的なボリュームもアップしているといえるでしょう。

豊かな被毛を活かしたカットの表現の幅が広がり、一般的なポメラニアン以上にさまざまなスタイルが楽しめます。

IQが高い傾向にある

もともとポメラニアンはIQが高い犬種です。ジャパンケネルクラブに登録されている206種類もの犬種のうち、ポメラニアンのIQランキングは23位前後といわれています。

そしてデカポメは一般的なポメラニアンよりもさらに賢く、しつけや芸を覚えやすい傾向にあります。そのため犬の飼育に慣れていない人は、甘やかすと暴犬になってしまう可能性もあるのです。

しっかりと上下関係をしつけられ、正しく教育できる力量を持った飼い主さんであれば、デカポメの聡明さを上手に引き出し素晴らしいパートナーとして成長させられるでしょう。

デカポメになるかを見分けるコツ

青りんごとポメラニアン

ここでは、子犬の時点で「デカポメになりそう」と見分けるためのコツをご紹介します。

個体の成長に絶対はないという前提で、参考として活用してくださいね。

子犬の時点で既に平均体重より重い

子犬の時点で既に一般的な体重よりも重い場合は、成犬時も平均以上の大きさになる可能性が高いでしょう。

人間の大人でも、高身長な人は小学生や中学生の頃から身長が高いことが多いですよね。

親のサイズが大きい

身長と同じように、犬の大きさや体重も親から遺伝しやすいとされています。

ペットショップやブリーダーは、その個体だけでなく親のサイズも把握しているためぜひ尋ねてみましょう。

今は平均的な体重でも、親のサイズが大きい場合は将来的にデカポメに成長する可能性があります。

前脚が大きい

一見すると普通のサイズに見えるポメラニアンでも、前脚が大きい場合はデカポメになる可能性アリです。

全体的な大きさと同じように、前脚を含めた骨格のサイズや骨の太さもチェックしてみましょう。

爪先部分まで骨がガッシリしており、肉厚な前脚を持っている個体は大きく成長する見込みがあります。

食欲が抜群にある

犬も人間と同様に「よく食べる子はよく育つ」ものです。

一度に食べる量が多い子は普通のポメラニアンよりも内臓が大きく作られている可能性があり、その分だけ体も大きくなる可能性があるでしょう。

ただし、ただの「がっつき食べ」になっていないかどうかチェックしてくださいね。

成長に「絶対」はない。だから犬は面白い!

三頭のポメラニアンを抱える女性

デカポメを始めとする「先祖返りして普通とは違った見た目・サイズになった犬種」は、ランダム性が大きいものです。

子犬の頃はとても小さかったのに成犬時に巨大になることもあれば、成長とともに毛色や目の色が変わることも珍しくありません。毛の模様やグラデーションも変わり、家に迎えたときとは別人(犬)のようになることもあります。なかには、垂れ耳が立ち耳になったり、肉球の色が変わったりすることもあるのです。

成長に「絶対」はありません。だからこそペットの飼育は楽しく、人生に彩りを与えてくれます。

サイズを含めた一匹ごとの個性を愛し、オンリーワンな魅力を楽しんでくださいね!

まとめ

首をかしげているポメラニアン

今回は、デカポメの魅力や理由についてご紹介しました!

デカポメは小柄な人が抱きかかえると体が埋まってしまいそうになるほど巨大ですが、見た目のインパクトだけではなく、ポメラニアン特有の愛嬌と懐っこさという多様な魅力を兼ねそなえています。

ぜひこの機会にデカポメの魅力を知り、その愛らしさにメロメロになってくださいね!