【闘病記】生後3ヶ月の猫を襲った膀胱炎。その後も繰り返す膀胱炎との闘い

ノルウェージャンフォレストキャットのりんちゃん
闘病記

猫の膀胱炎について、猫飼いさんであれば知っている方も多いでしょう。

膀胱炎は細菌が尿道に入り、膀胱で炎症を引き起こす病気です。免疫力の低下やストレスなど様々な要因で引き起こされるといわれています。

細菌や結石などによって引き起こされる炎症のほかにも、原因不明の猫下部尿路疾患(特発性膀胱炎)もあります。

膀胱炎は性別や年齢には左右されず、どの猫も発症する可能性がある疾患です。

今回は、膀胱炎になった猫の闘病記をご紹介します。

今回の主人公

ノルウェージャンフォレストキャットのりんちゃん

今回ご紹介するのは、ノルウェージャンフォレストキャットの雌猫、9歳の「りんちゃん」です。同じくノルウェージャンフォレストキャットの雄猫「そらちゃん」と共に、飼い主さんの小百合さんご夫婦と暮らしています。

3月生まれのりんちゃんは、生後3ヶ月になった6月に小百合さんご夫婦に迎え入れられました。

小百合さんはその1ヶ月ほど前に「みゅうちゃん」という猫を心不全で亡くしています。小百合さんだけでなく失意の底にいた旦那さんの意見もあり、「みゅうちゃんと同じ種類の猫を」と、りんちゃんとそらちゃんを家族として迎えることにしたそうです。

「ペットショップに『見に行くだけ』なんて言っていたのですが、あまりに可愛かったので家族になってもらいました(笑)」

りんちゃんは、小百合さんご夫婦にとってそれほど思い入れのある猫なのでしょう。

子猫の頃のりんちゃんは、恐ろしくお転婆だったそうです。

子猫の頃のりんちゃん
■子猫の頃のりんちゃん

「まるで子猿のようでした(笑)『キャキャー』と言いながらサッシを上手に登っていました。どうやら『危ないからダメ!』と私が近づくのをわかっていての行動だったようです」

わざわざ仕切りを付けていたキッチンカウンターにも入ろうとするなど、小百合さんを困らせていたようです。

「運動神経が良く、自分の名前や言われていることをすぐに理解できる頭の良い子です」

最初に出た症状

りんちゃんを迎え入れてすぐ、生後3か月の頃からトイレの回数が増えていることに気付いたそうです。

最初は2回くらいだった排尿回数が、10回、11回と増え、一番ひどい時は13回にも及びました。

「『今行ったばかりでしょ!』というタイミングでまたトイレに行くので、とても心配になりました」

前に飼っていたみゅうちゃんも膀胱炎になったことがあったため、小百合さんは異変に気付くなりりんちゃんを病院へ連れて行きました。

病院で採尿をして検査をしたところ、やはり「膀胱炎」と診断されます。その中でも「ストルバイト尿石症」と呼ばれるものでした。比較的若い年齢の猫に多いとされ、あまりお水を飲まないことも原因の一つといわれています。尿道に結石ができる尿石症は、その石が膀胱や尿道を傷つけたり尿道に詰まったりすることもあり注意が必要です。

りんちゃんの場合は生後3ヶ月ほどだったこともあり、小百合さんは大変ショックを受けました。

「こんな小さな体の中に石があるなんて、と思いました」

獣医師からは「膀胱炎になりやすい体質なのでは」と言われたそうです。

対処法

まずは病院で、抗生物質のコンべニア注射を打ちました。

止血効果のあるトラサミンの投薬と、療法食も始めました。

投薬は3ヶ月ほど続いたそうです。幸いだったのは、幼いりんちゃんが投薬に嫌悪を持たなかったことでした。

「薬を飲む時は、お手本通りきっちりできる良い子でしたよ」

ただ、療法食に関して、小百合さんはとても心苦しく思っていました。獣医師より、これから先もずっと療法食にしたほうがよいと言われたからです。

「『この子、一生療法食なんですか?』と聞きました。ましてやその頃は生後3ヶ月で栄養価たっぷりの『キトン』を与えていたので、栄養は足りるのかと心配になりました」

先生からはやはり「療法食がよい」ということ、栄養価も大丈夫との返答があったそうです。

心苦しく思いながらも、それからはずっと療法食を与えています。

その後も繰り返す膀胱炎

ノルウェージャンフォレストキャットのりんちゃん

1回目の膀胱炎はなんとか落ち着き無事に治りましたが、その後も冬頃になると繰り返しました。

膀胱炎になると、痛みでトイレの最中に大きな声で泣く、粗相をする、失禁するなどの症状が見られますが、りんちゃんの場合はそれらの症状はなく、排尿回数が増えるだけだったそうです。

症状が出るとその度に病院へ行き、治療を施しました。

療法食を食べていたのに膀胱炎を繰り返すため、獣医師から他の食事も試してみてと言われ、ヒルズのフードも一緒に摂るようにしました。

繰り返す膀胱炎で小百合さんが一番困っていることが、採尿です。

トイレに使っている猫砂が流れ出た尿に影響を及ぼすので、猫砂ごと検査に提出することはできません。そのため、いつも病院で採尿しています。

「管を通して採尿するんですよね。その後は血尿が出るので、それがいつもかわいそうでたまりません」

水分を吸収しない「チップ」と呼ばれる猫砂なら採尿も簡単ですが、猫飼いさんならご存じの通り、猫にとってはいつもの猫砂を変えられるのもストレスになる可能性があります。猫が慣れ親しんだものを変えるのは大変な作業ですよね。

小百合さんもなんとか家で採尿できないかと今でも試行錯誤されています。

膀胱炎の原因

膀胱炎をなるべく起こさないためにも、療法食は重要だと小百合さんは感じています。

りんちゃんが8歳になった年の9月に膀胱炎になった時、獣医師から「療法食の他に何か食べさせませんでしたか?」と問われた小百合さんには心当たりがありました。

療法食だけではかわいそうと思った小百合さんが、膀胱炎の兆候がないこともあり、りんちゃんにおやつを与えていたのです。それは尿路結石用のものではなく、もう1匹のそらちゃんに与えていたものと同じ、通常のおやつでした。

それからはご飯やおやつにとても注意しているそうです。

膀胱炎は、ストレスも関係する場合があります。小百合さんもそれを感じ取っていました。

「りんちゃんは冬になるとリビングで私のそばにぴったりくっついてお昼寝するのですが、私が長時間留守にすると接する機会が少なくなるからなのか、排尿回数が増えるんです。寂しくて不安なのかなと感じています」

コロナが広がる中、自宅にいることが増えて犬猫を飼う人が多くなりましたが、飼い主が再び仕事に出かけ始めたことがきっかけで分離不安症になる犬猫も多いといいます。

りんちゃんの排尿回数が増えるのも、小百合さんと離れることがきっかけになっているのかもしれません。

膀胱炎とうまく付き合っていく

ノルウェージャンフォレストキャットのりんちゃん

療法食は、膀胱炎に最初になった頃から下部尿路疾患の猫のためのフード、ロイヤルカナンの『ユリナリーS/O オルファクトリー』を与えています。

ただ、それだけではなくヒルズの下部尿路の健康をサポートする『c/d』『s/d』、腎臓の健康と食事量の増加をサポートする『k/d』も食べさせています。

一生かもしれないりんちゃんの療法食生活のため、なるべく飽きないように、また嫌な思いをさせないように、朝昼晩とそれぞれの配合を変えながら与えているそうです。

また、数粒ですが、そらちゃんと同じご飯を加えることもあります。

「おいしいものを少しでも与えたいのですが、一度だけと言って与えるのもなんだかかわいそうになっちゃうので、それはしていません。寿命がわかるなら好きなだけ食べてって言えるんですけどね(笑)」

治療に関する費用は、通院費、3,000円ほどの薬代、療法食1袋にかかる5,000~6,000円ほど。それもペット保険で賄っているそうです。

尿石症だけではなく細菌性の膀胱炎にもなることがあるりんちゃんのために、旦那さんにも協力してもらってトイレの掃除もきちんとしているそうです。

繰り返す膀胱炎で心配していること

りんちゃんが最初に膀胱炎になった時に小百合さんの頭に浮かんだのは、以前飼っていたみゅうちゃんのことでした。

「みゅうちゃんも膀胱炎になったのですが、それがきっかけで腎不全になってしまったんです。それから点滴もしていたので、りんちゃんもそうなったらどうしようと、それが不安でした」

毎年のように膀胱炎になるりんちゃんを見るのは辛いと言います。

「毎年のようになるからと言って、慣れることはありません。何度もトイレに行く姿を見たら自分のことみたいに辛くなります。かわいそうで見ていられないです」

ご自身も膀胱炎に悩まされた経験から辛さがわかることもあり、りんちゃんのことをとても気にかけているそうです。

最近のりんちゃん

ノルウェージャンフォレストキャットのりんちゃんとそらくん
■(左)りんちゃん(右)そらちゃん

りんちゃんが8歳の時、9月に続き11月にも膀胱炎になりましたが、それ以降は落ち着いているそうです。

11月に発症した時は、2ヶ月前にも病院に行っていたこと、さらにコロナの影響もあったことから、薬だけ処方してもらいました。りんちゃんは2ヶ月前にも薬を飲んでいたからか、この時はなかなか飲んでくれなかったため療法食だけでなんとか自然に治したと言います。

最初の膀胱炎からりんちゃんも成長し、薬を与えるのも一苦労になったため、このまま発症しなければよいと祈っています。

「最初はみゅうちゃんのこともあって死ぬんじゃないかと恐怖を感じていたのですが、立派に成長して、雄のそらちゃんよりも大きくなりました(笑)」

りんちゃんは、りんちゃんのことが大好きなそらちゃんをいつも横目で見ながら、たまに相手をしてあげるなど、クールビューティーぶりを発揮した毎日を過ごしています。

まとめ

小百合さんは、りんちゃんの膀胱炎が発覚した時にペットショップの方から「交換しますか?」と言われたそうです。

しかし、小百合さんご夫婦は「家族だから」とそのまま迎え入れました。それ以前に覚悟を決めて、何があっても乗り越えようと決意していたのだと思います。

膀胱炎は、症状が悪化すると腎臓に負担をかけたり尿毒症を引き起こしたりする病気です。

猫飼いさんたちは、日頃から愛猫の排尿の様子などを確認しておくとよいですね。

りんちゃんの飼い主さんのInstagram

mayo

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大分県在住。本職はインテリアコーディネーターをしているmayoです。 両親と共に、猫のしんのすけ(推定2011年5月生まれ)と、のんびり生活しています。 し...

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