イヌとネコの違いについて比べてみよう!~歴史編~

皆様こんにちは、ReCheriライターのchiiです。

突然ですが、皆様は犬派でしょうか?それとも猫派でしょうか?

かく言う私は哺乳類であればなんでも好きなので、毛玉派とでも言いましょうか。

我が家には犬と猫と両方がいて、特にべったりするわけではなく、かといっていがみ合うわけではなく、それぞれが良い距離感でゆるーく暮らしております。

世間では犬派と猫派は結構はっきり分かれるものであると感じておりますが、それは犬と猫がそれぞれ違った性質をしているためではないでしょうか。

私も我が家の犬と猫を見ている中で、やっぱり違う生き物なんだなぁと感じることが多いです。

犬猫それぞれの性質の違いにより、彼らが快適に感じる生活環境も少しずつ違ってきます。

そこで、今回はイヌとネコの違いについて「ヒトとの歴史」を紐解いて比べてみたいと思います!

それぞれの先祖は?

犬の起源

私たちが現在一緒に暮らしている犬(=イエイヌ)の先祖はオオカミであるという意見が最も有力です。

イヌ属にはオオカミの他に、野生化した犬のディンゴや複数の種類がいるジャッカル、小型のオオカミのような姿のコヨーテなどがいます。

生物学的な分類だと、イヌはネコ目(モク)になります。

犬なのになぜネコなのか?と不思議に思えますが、「肉を裂くためのハサミ状の歯を一対持っているもの」というネコ目の定義により犬もネコ目に分類されています。

ちなみに、ジャイアントパンダもネコ目という意外な事実も!

イヌを含めたネコ目全体の先祖は、イタチやテンのような姿の「ミアキス」という生き物であったと言われています。イタチのようなものがやがて現在のイヌとネコに分岐していったことは大変興味深いですね。

大人のオオカミは、人間が手なづけるのはほぼ不可能と言われています。

しかし、子犬のうちに母オオカミから離して人が育てると、かなり人に慣れることがわかっています。ですので、急激にオオカミとヒトが仲良くなったとは考えにくいのです。

オオカミの中でも比較的穏やかで攻撃性の低い性格の個体がヒトとゆっくり交流を持つようになり、そうして家畜化が進む中でイエイヌの先祖へと姿を変えていったと言われています。

猫の起源

私たちが現在一緒に暮らしている猫(=イエネコ)の祖先は「リビアヤマネコ」という種であったと言われています。

リビアヤマネコは現在も北アフリカやアラビア半島の砂漠地帯に多く生息しています。

リビアヤマネコは英語で「アフリカン・ワイルドキャット」や「デザートキャット」と呼ばれています。

「リビア」は北アフリカにある国の名前で、「デザート」は砂漠という意味ということから、それぞれ生息地が由来の呼び名であることがわかります。

リビアヤマネコの体型はスリムで、現在のキジトラにも通じるところのある模様や色をしています。

日本からはるか遠い、海を越えた場所で生まれた猫を現在のイエネコたちから感じられることは壮大なロマンを感じます!

こちらがキジトラです。

イエネコと違うところは、イエネコより足が長く耳が大きいところです。そしてキジトラよりも薄い色をしており、これは砂漠の砂に擬態するためです。ヤマネコという名の通り、イエネコよりもより野生の環境に適した姿をしているのですね!

ヒトとの関わりの歴史

イヌとヒトとの出会い

犬は人間の最初のパートナー!

■世界では■

オオカミからイエイヌの祖先へと姿を変えていく中で、ヒトとイヌはゆっくりとその絆を深めていきました。

イヌはヒトの最初の家畜動物であるとされており、世界中の遺跡からは共に暮らしていたであろう犬の骨が見つかっています。また、中には人間と一緒に埋葬されているものもあり、当時から人との絆の深さが感じられます。

農耕を始める前、ヒトは野生動物を狩猟して食料としてきました。イヌもまた狩猟をする動物ですが、ヒトよりも狩りに優れた身体能力を持っていますよね。そこでヒトはイヌの力を借りて効率よく獲物を捕らえることと引き換えに、イヌの安全な寝床や生活を守ってあげるというギブアンドテイクな関係生であったと言われています。

■日本では■

日本では縄文時代にはイヌとヒトは共存していたようです。縄文時代の遺跡からイヌの形をした土器や、イヌを埋葬したと思われる跡が見つかっています。そのイヌの遺骨を調べたところ、ヒトと同じ食べ物を食べていたことがわかりました。7000年も昔からイヌとヒトは家族だったのです!

囲家族やパートナーであり、決して道具ではなかった

世界中の遺跡や日本の遺跡から、イヌが丁寧に埋葬された跡やヒトと一緒に埋葬されている跡が見つかっています。これはイヌが大事に扱われてきた証拠でしょう。

遺跡の時代では、イヌはまだオオカミに近いものであったと思います。トイプードルやチワワのようなカワイイものではなく、人間の腕なんてひと思いに噛みちぎってしまえる動物だったはずです。

しかし、そんなイヌがヒトを「仲間」だと認識していたということは、ヒトがイヌをただの手先として扱ってきたわけではなく、そこには家族や友達のような信頼関係があったからこそなのではないでしょうか。

ネコとヒトの出会い

■世界では■

今から9500年~4000年前のどこかの段階で、ネコとヒトが接触するようになったと言われています。2004年にはキプロス島のシルロカンボス遺跡から、ヒトと一緒に埋葬されたとみられるネコの骨が見つかりました。これが世界最古のヒトとネコの関わりのある遺跡とされています。キプロス島は日本の四国の半分ほどしかない小さな島ですが、そこから船乗りと一緒に船に乗り海を越えて広がったと言われています。

ネコの発祥というとエジプトだというイメージでしたが、エジプトは世界最古ではなかったのです。エジプトでのネコとヒトとの関わりは5000年前からと言われています。

エジプトでは、ネコはライオンの代わりとして崇拝され神格化していきました。

当時はコブラ以外の蛇は邪悪な生き物とされていたため、蛇を退治するネコは守り神であると考えられていました。ちなみに、このネコの神様は「バステト」という名で女神様です。バステトはしゃもじのようなものを手に持っているのですが、これは赤ちゃんをあやすための楽器です。優しい女神様!こうして守り神としてあがめられたネコは、死んだ後もミイラにしてもらい丁寧に埋葬されました。

このように、エジプトではネコは大変神聖な動物…というかもはや神だったので、エジプト王は国外に猫を持ち出すことを禁止しました。しかし、近隣のペルシャやインドではこのころ農耕が盛んだったため、ネズミ駆除に重宝されたネコはひっそりと密輸されていました。

ローマ帝国がエジプトを支配した後もなお、ネコはその姿の愛らしさでローマ人をも魅了し続けました。そして交易商人によって海を渡って広がったと言われています。

■日本では■

飛鳥時代~奈良時代には既にネコは日本に来ていたとされています。仏教の伝来とともに中国から海を渡ってきました。船の乗組員の食料のほか、大切な仏教の経典をネズミから守るために船に乗せられたようです。

「ねこ」の語源は諸説あり、よく寝る子で「寝子」とした説や「ね=ねずみ、こ=こま(熊)」という説、平安時代には猫の鳴き声は「ねうねう」と表記されており、「ねうねう→ねうこ→ねこ」となった説など様々です。最初に書物に登場した時には「狸(ねこ)」と注釈がされていたそうです。熊だったり狸だったり…猫が聞いたら怒りそうですね!(笑)そして、平安時代には貴族の間で空前の猫ブームが巻き起こりました。十二単を着た女性と猫を描いた日本画も残っています。

まとめ

イヌは太古の昔からヒトとパートナーであり家族でした。イヌは肉食でもありますがどちらかというと雑食であるということ、社会性のあるグループの中で生きていく性質であることなど、当時のヒトとイヌにはそのライフスタイルに共通点があったことで家畜化しやすかったのではないかと言われています。オオカミに近い獰猛(どうもう)な野犬であった当時のイヌは、人間の残飯などを食べるなどヒトの生活区域に近付いていく中で、ゆっくりと心を通わせて言ったのですね。最初は絶対、ヒトにとってイヌは「恐れ」の対象であったと思います。しかし、「もしかして…かわいいのかも…?」と思い始めたところを想像すると、個人的に非常に萌えであります。

一方、ネコはもう少し後になったころにヒトと共に生きるようになります。それはヒトが進化して農耕を始めるようになったことで、米や小麦を荒らすネズミを駆除してくれるネコが重宝されたためです。ネコはイヌと違い完全に肉食動物ですので、ヒトが農耕を始めたからこそ農地に現われるネズミを求めてヒトの生活区域に生きるようになったのです。エジプトでは神様になってしまうし、ローマ人もメロメロ、そして日本では平安時代には既に猫ブームが来ていたとなど知り、ヒトはネコのトリコになる定めなのではないかと思わずにはいられません。

イヌは集団で生活をし雑食であること、ネコは単独行動で肉食であること、この違いからヒトと一緒に生きるようになった理由や歴史がそれぞれ違います。ただ、イヌネコとヒトという異種間の通じ合いには、お互いにWIN WINの関係であったということは共通していますね。どちらもヒトが力でねじ伏せたのではなく、獣に対する敬意と恐れを持って接していたからこそイヌもネコもヒトの近くにいてくれたのではないかと思います。親しき中にも礼儀あり、言葉が通じないからこそ、礼儀を態度で示すことが大切な関係なのかもしれませんね。

今回は人間と犬猫との歴史を紐解きながら犬と猫の違いについてご紹介いたしました。次回はさらに踏み込んで、犬と猫の習性の違いからそれぞれに適した「接し方や「快適なお部屋作り」についてご紹介したいと思います。

次回「イヌとネコの違いについて比べてみよう!~暮らし編~」をお楽しみに!