【体験談】人慣れしやすい!フトアゴヒゲトカゲの生態や飼育環境について

手に乗るフトアゴヒゲトカゲ
爬虫類/両生類

近年ではペットブームとなり、子供の数よりペットの数のほうが多いといわれています。

3世帯に1世帯はペットを飼っているというデータもあります。

ペットというと「犬」や「猫」が一般的ですが、うさぎやハムスターなどの小動物を飼育される方も多く、最近では爬虫類や両生類も人気が出ています。

我が家では、2012年と2018年にお空へ旅立ってしまいましたが、2匹の「フトアゴヒゲトカゲ」と約10年間一緒に暮らしていました。

「フトアゴヒゲトカゲ」は人慣れしやすく、飼いやすいトカゲです。

我が家のフトアゴヒゲトカゲ「さんた」と「とな」もとても懐いていた可愛い子でした。

今回は、フトアゴヒゲトカゲを実際に飼っていたライターの私が、その生態や飼育方法についてご紹介したいと思います。

フトアゴヒゲトカゲとはどんなトカゲ?

フトアゴヒゲトカゲ

どんなところに生息しているの?

野生のフトアゴヒゲトカゲは、森林や砂漠など、様々な場所に生息しています。

日本でペットとして飼われている個体は、飼育下で繁殖した個体がほとんどと言われています。

10~20個の卵を産み、90日前後で孵化します。

どんな姿をしているの?

フトアゴヒゲトカゲは、頭の先からしっぽの先までで、50cmくらいのサイズです。

我が家のフトアゴヒゲトカゲ、「さんた」も50cmくらいありました。

頭と胴体で25cm、しっぽが25cmくらいの割合でした。

犬や猫もそうですが、フトアゴヒゲトカゲも個体により体のバランスや顔つきが全然違います。

さんたは「頭でっかち」なトカゲでした。笑

「とな」は少し小さくて45cmくらいでした。

背中やお顔にはトゲトゲがありますが、見た目よりも柔らかく、とがったゴムのような手触りです。

トゲトゲの部分は硬めですが、お腹の部分はふわふわと柔らかくなっています。

怒ったり興奮すると、顎のあたりのトゲトゲが黒くなり、ひげのように見えることから「フトアゴヒゲトカゲ」と言われています。

大きく口を開け、黒くなったトカゲは迫力がありますよ!

「ミニチュア版恐竜」といった感じです。

人慣れってどんな感じ?

フトアゴヒゲトカゲ(鳥羽水族館)

前述しましたが、フトアゴヒゲトカゲはトカゲの中でも人慣れしやすいトカゲといわれています。

人慣れといっても、犬のように名前を呼んだら来るわけでもなく、「おて」や「おすわり」ができるわけではありません。

フトアゴヒゲトカゲはハンドリングができるトカゲです。

ハンドリングとは、触れたり手に乗せたりすることですが、「さんた」も「とな」も最初からハンドリングができる子でした。

「さんた」はある程度人の認識ができたようで、餌をくれる飼い主と、興味本位で覗いてくる人の区別ができました。

後者の場合、顎を真っ黒にして怒っていました。

私がケージを覗き込むと、必ず寄ってくる可愛い子でした。

犬のように「大好きな飼い主」という認識ではなく、「餌をくれる人」という認識ではありますが、そのような感じの人慣れはできますよ!

散歩に連れ出せるの?

フトアゴヒゲトカゲ

フトアゴヒゲトカゲのお散歩はできるのでしょうか。

運動不足解消や日光浴のために屋外を散歩させることを、喜ぶ子とストレスになる子がいます。個体の性格によるので、そこは飼い主さんが見極めることが必要です。

臆病な性格なフトアゴヒゲトカゲでも、部屋のなかを散歩させることはできます。

ゴミや小さな置物など、口に入るサイズのものは丸飲みしてしまうことがあるので、必ず掃除をして取り除いておきましょう。

また、脱走にも注意が必要です。
お散歩で嬉しくなって動きが素早くなるので、お散歩させる部屋を決め、窓やドアをしっかり閉めておきましょう。

時間は15~30分程度でよいでしょう。ひととおりお散歩をしてフトアゴヒゲトカゲが落ち着いたところで、ケージに戻してあげましょう。

フトアゴヒゲトカゲに屋外をお散歩させると決めたら、まず体にぴったり合ったハーネスを購入します。間違っても脱走させてしまうことのないよう、細心の注意を払いましょう。

フトアゴヒゲトカゲにとって快適な温度は26℃~32℃程度。初夏~夏の晴れた日の昼間がお散歩に適しています。場所は人や車が通る道ではなく、公園など安全な場所がおすすめです。そこまではバッグに入れて移動するといいと思います。

のら猫やカラスなどに襲われないよう、しっかり見守っておきましょう。また、フトアゴヒゲトカゲが突然走り出して人や犬などに飛びついたりしないよう、リードをもって常に目を離さないようにしましょう。

フトアゴヒゲトカゲの飼育方法は?

フトアゴヒゲトカゲ

フトアゴヒゲトカゲの飼育は、温度管理と紫外線が必要不可欠です。

飼う前は「そんな管理できないよ!」と思っていましたが、自動で管理してくれる便利グッズもたくさんあることを教えていただき、フトアゴヒゲトカゲを迎えることになりました。

フトアゴヒゲトカゲが健康に快適に暮らせるための飼育方法についてご紹介します。

フトアゴヒゲトカゲが暮らす快適温度は?

フトアゴヒゲトカゲは寒さが苦手です。

寒いと体の色が黒っぽくなって活動量が減り、冷たくなり、食事も摂れなくなってしまいます。

かといって、暑すぎても生きていけません。

50cmのフトアゴヒゲトカゲが暮らすためには90cm以上のケージが必要で、そのケージの中に「クールスポット」と「ホットスポット」を作ります。

クールスポットは20~25℃、ホットスポットは30~40℃の温度が必要です。

ケージの両端にクールスポットとホットスポットを作ります。

クールスポットは人間が暮らしている室温と同じです。

家にもよりますが、夏は人間の部屋にクーラーを、冬は暖房が必要です。

ホットスポットは、器具を使って作ります。

ケージの下にシートヒーター、ケージの上に保温球を設置します。

こちらの図は、最初のフトアゴヒゲトカゲ、さんたを迎えるときに店員さんが書いてくれたものです。

このように「さんたのおうち」を作りました。

フトアゴヒゲトカゲ「さんた」のおうち

こちらは、我が家で使用していたヒーターです。

セラミックヒーター

左のヒーターはケージの上に取り付け、右のヒーターはケージの下に敷きます。

昔のものなので、そっくり同じものは現在販売がないようです。

現行製品はこちらのようなものとなります。


シートヒーターはコンセントに刺したままで快適な温度に保ってくれる優れものです。

熱くなると自動で電源が切れる仕組みになっています。

紫外線ってどうやって当てるの?

紫外線には「UB-A」「UB-B」「UB-C」の3種類があり、フトアゴヒゲトカゲの飼育に必要な紫外線は「UV-B」です。

太陽で日光浴をすれば「UV-B」をとることができますが、カーテン越しの日光浴ですと「UV-B」はとれないといわれています。

暖かい日中でしたらお散歩を兼ねた日光浴が最適ですが、普段はケージにライトを設置して「UV-B」を取り入れます。

「UV-B」をとらないと「くる病」になってしまいます。

くる病は骨の生成ができず、骨が弱くなる病気です。

フトアゴヒゲトカゲを健康に飼育するにはビタミンとUV-Bが必要です。

UV-B単独のライトもありますが、我が家ではUV-Bと温熱球&明かりが一体化したライトを使用していました。

温度管理やライトの管理方法は?

前述のように、フトアゴヒゲトカゲの飼育には様々なアイテムが必要になってきます。

そして、それぞれに電源を入れる必要があります。

・朝、明かりをつけ、夜、明かりを消す。
・昼間、ホットスポットを作る。
・昼間、UV-Bを当てる。
・常に20℃以下にならないように管理する。

一日中ケージに張り付いているわけにはいきませんので、これらを手動で行うのは難しいことです。

そこで、優れものアイテムが登場です!

爬虫類用のサーモスタットです。


様々なアイテムの電源をサーモスタットに刺し、いろいろと設定をします。

我が家の場合、12時にUV-B&ライトが点灯し、21時に消灯。

クールスポットの温度が19℃以下、32℃以上になるとアラームが鳴るようにセットしていました。

これさえあれば、温度も明かりも紫外線もノータッチです!

ただ、これらのグッズは冷やすことはできないので、夏場は人間の部屋全体を涼しくするようエアコンが必要です。

写真のサーモスタットは昔のものなので、現在同じものの販売はないようです。

お探しの方はこちらを参考になさってください。

まとめ

ペットとしてあまり馴染みのないフトアゴヒゲトカゲについてご紹介しましたがいかがでしたか?

爬虫類の飼育は大変でお金がかかるイメージがあるかもしれませんが、便利な道具がたくさん販売されていますので、私は飼育してみて思ったより手がかからないと思いました。

金銭的には初期費用はある程度かかりますが、揃えてしまえばさほどお金もかからず飼育することが出来ます。

次回はフトアゴヒゲトカゲの食事や飼育方法についてご紹介したいと思います。

公開日:2018/12/14  最終更新日:2021/08/12