チェリーシュリンプを繁殖させたい!繁殖方法と失敗点、対策を紹介

アクアリウム

アクアリウム上級者の間では、繁殖が簡単と言われているミナミヌマエビや、チェリーシュリンプのような小型のエビ。

ペットショップでも「気が付いたらいつの間にか増えていたというくらい簡単に繁殖しますよ」と言われたので、初めてアクアリウムに挑戦する私でも繁殖できるかな?と軽く考えていました。

しかし実際は抱卵まではスムーズに行っても、そこから稚エビが育たちません。

そこで今回は、チェリーシュリンプの繁殖方法と、飼育環境の改善点を確認してみました。

チェリーシュリンプの繁殖に適した環境は?

チェリーシュリンプなどの小型のエビが繁殖するのに適した水温は、22℃~26℃程度とされています。

自然界で言えば、春から初夏にかけての水温です。

飼育下ではこの水温が保たれていて、水質が酸性に傾いていなければ、水槽の中に雄と雌を入れておくだけで1年を通してエビは繁殖可能とされます。

私がチェリーシュリンプの水槽を立ち上げたのは1月だったので、水温が下がり過ぎないようにヒーターを入れていました。

そのため水温は常に25℃に保たれており、水槽を立ち上げてから1ヶ月程で母エビの体に卵が存在するのが確認できました。

チェリーシュリンプの繁殖方法

雄と雌の見分け方は?

環境が整ったら、後は雄と雌が揃えばチェリーシュリンプの繁殖が可能です。

チェリーシュリンプは体長2cm~3cmの小さな生物ですので、成熟していない個体の場合は雄と雌の見分けが難しく、卵巣が発達してから雌が区別できるようになります。

脱皮を繰り返して成長すると雌の背中には黄色っぽい卵巣が見られるようになり、腹部も丸みを帯びてきます。

上の写真の個体が、抱卵している状態の雌です。

我が家にいるチェリーシュリンプは、真っ赤なレッドファイアーと薄い水色のブルージェリー、透明のスノーホワイトの3色です。

水槽の立ち上げ当初、レッドファイアー以外はまだ小さかったため、雌雄が分からない状態でした。

そのため成長過程がじっくり観察できたのですが、脱皮を繰り返すごとに雄と雌の対格差が顕著になっていき、最終的には雌の方が雄よりも一回り程度大きくなっていることが確認できました。

チェリーシュリンプの抱卵と、消えた稚エビ

母エビは2週間~3週間の期間、卵をお腹の中に抱えた状態で過ごし、稚エビが確実に孵る状態になってから産卵します。

恥ずかしながら私はこのことを知らなかったため、

水草に産み付けられている卵を見て「エビの卵だ!」と喜んだ挙句に、したり顔で幼稚園児の娘にも「エビさんの卵だよ~」と教えていました……

後日、その卵からはエビが抱卵する前まで混泳させていたメダカの稚魚が孵っていました。

言い訳がましくなってしまいますが、私が勘違いしたのにも理由があります。

メダカの卵が確認できた時、前日の晩までは抱卵していたはずの母エビのお腹から卵がなくなっていたのです。

そして、卵がなくなってから間もなくして、母エビも死んでしまいました。

チェリーシュリンプの寿命は1年と短いうえに、母エビは抱卵している間中ずっと脚を動かして卵に酸素を送り続けるため、産卵後に力尽きて死んでしまうことも多いのだそうです。

母エビが命がけで守っていた卵がなくなってしまった。安易に繁殖ができるだろうと考えていた私には、とてもショックな出来事でした。

水槽の環境を見直してみよう

我が家のエビ用水槽の構成は以下のようなものです。

水槽立ち上げ当初はメダカも混泳させていましたが、抱卵している母エビを見つけてからは別の水槽に移しています。

孵化したばかりの稚エビは体長2mm程度と小さく、メダカに限らず他の生物と稚エビを同じ水槽に入れておくと、食べられてしまう可能性が高いのです。

また、水質が変わってしまうと母エビが脱皮をして卵を落としてしまうことがあるため、抱卵中は水換えも避けなければいけません。

孵化の準備が整っていな卵が母エビから離れてしまうと、卵は孵ることなく死んでしまうので、抱卵中の水換えや水槽の掃除は厳禁とされているのです。

しかし、放っておくと水槽の水はどんどん蒸発してしまい、水中のアンモニア濃度があがってしまうため、蒸発した分の水は足す必要があります。

水を足す時もカルキ抜きしたものを一度に足すと、母エビに刺激を与えてしまうため、少しずつ、何回かに分けて足すよう心掛けています。

外部フィルターに問題あり!?

小型のエビを飼育する上で、一番気を付けなければいけないのが水質を安定させることです。

チェリーシュリンプなどのエビは適応水温も幅広く、生命力も強いのですが、唯一水質の急激な変化にだけは弱いとされています。

そのため水換えができない間もパワーのあるフィルターで水質を保つことが大切だと考えていたのですが、外部フィルターのパワーが原因で稚エビが育たなかったことが分かりました。

ろ材を交換しようと思ってフィルターを開けたところ、なんと中に稚エビが入り込んでいるのを発見したのです。

後から調べて知ったのですが、遊泳能力の低い稚エビがフィルターに吸い込まれてしまうことは割と良くあるようです。

稚エビの吸い込み対策!ストレーナースポンジを投入

ヤマトヌマエビなどのもう少し大きな種であればフィルターの中でも稚エビが成長することがあるようなのですが、我が家のエビ達は残念ながらフィルターの中で全滅していました。

調べてみると稚エビの巻き込みを避けるため、フィルターの先端部につけるスポンジが販売されていることを知りました。

現在、水槽の中には抱卵している母エビが2匹いる状態です。

早速注文してみたのですが、これで無事に稚エビが育ってくれることを願うばかりです。

色違いのチェリーシュリンプを交配させるとどうなるの?

チェリーシュリンプには現在10以上のカラーバリエーションがあり、体色の美しさも人気の理由となっています。

色が違うといっても元は同じミナミヌマエビの亜種ですので、体色の異なる個体同士でも交配は可能です。

では白と赤、青と黄といった掛け合わせで生まれた稚エビはストライプ模様になったり、緑色になったりするのでしょうか?

残念ながら、そんなにうまくはいかないようで、色違いの個体から生まれる稚エビはミナミヌマエビのような体色になることが多いそうです。

チェリーシュリンプの持つ色素は劣性遺伝で、同じ色のものを掛け合わせない限りは綺麗な体色の個体が生まれる可能性は低いのだとか。

我が家の水槽にいる雄の個体は、ブルージェリーとスノーホワイト、現在抱卵している個体はレッドファイアーとスノーホワイトなので、少なくとも真っ赤なエビが生まれる可能性は低いです。

色んな色の稚エビが生まれたらと思って安易に3色のエビを同じ水槽に入れてしまいましたが、ベテランのアクアリストさんの中には1つの水槽には1色のエビしか入れないと決めている方も多いようです。

このあたりも現在抱卵している2匹が出産したら、見直してみようと思います。

まとめ

チェリーシュリンプは簡単に繁殖ができると言っても、それはあくまでも中級以上のアクアリストさんにとってのことで、初めて水槽に挑戦する場合は紆余曲折が必要なようです。

現在抱卵している卵が無事に孵化しても、母エビ以外の大人のエビに食べられてしまうこともあるらしく、産卵に向けて稚エビ用の小さな水槽の準備を進めています。

とは言っても、あまり過保護にしてしまうと今度はエビが増えすぎてしまって飼育環境が過密になってしまい、そこから全滅する恐れもあるようなので、ある程度は捕食されることも受け入れなければいけません。

まだエビとメダカしか飼育していませんが、小さな生態系を創る作業になるアクアリウム、奥が深いです。