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イングリッシュ・コッカー・スパニエルとアメリカン・コッカー・スパニエルの違いは?

最近ペットとして人気を集めている犬種に「イングリッシュ・コッカー・スパニエル」「アメリカン・コッカー・スパニエル」がいます。

名前を聞いたことがある人は多いかもしれませんが、実際に2種の姿を想像できる人は少ないかもしれませんね。

名前も似ているし、被毛のトリミングのされ方も似ています。

この2種、一体何が違うのか気になりませんか?

そこで今回は、イングリッシュ・コッカー・スパニエルとアメリカン・コッカー・スパニエルの違いをご紹介します!

イングリッシュ・コッカースパニエルとアメリカン・コッカースパニエルはここが違う!

それでは実際にどういった点が異なるのかを詳しく見ていきましょう。

歴史が違う

実はイングリッシュ・コッカー・スパニエルとアメリカン・コッカー・スパニエルはとても近しい間柄です。

17世紀頃、もともとイギリスで猟犬種として活躍していたイングリッシュ・コッカー・スパニエルですが、この種が1620年頃アメリカに渡って再ブリードされて生まれたのがアメリカン・コッカー・スパニエルです。

つまり、アメリカン・コッカー・スパニエルの祖先がイングリッシュ・コッカー・スパニエルになります。

また、イギリスでは「コッカー・スパニエル」というと「イングリッシュ・コッカー・スパニエル」の方を指すことがほとんどですが、アメリカでは「コッカー・スパニエル」といえば「アメリカン・コッカー・スパニエル」です。

アメリカン・コッカー・スパニエルが先にアメリカで普及したことから、祖先であるイングリッシュ・コッカー・スパニエルの浸透が遅れてしまったそうですよ。

ちなみに

「コッカー=ヤマシギ(鳥)」

「スパニエル=スペイン起源の猟犬」

を意味します。

コッカー・スパニエル種は主に鳥猟を得意とし、猟師が獲物を定めやすいよう鳥を飛び立たせ、仕留られて落ちた鳥を加えて持って帰ってくるよう訓練されています。

名前からも鳥猟に優れていたことが良く分かりますね。

ん?スペイン?イギリスじゃなかったっけ?

と思うかもしれませんが、元をたどると14世紀頃にスペインからイギリスに渡ってきた猟犬種だったため、「スパニエル」と名付けられています。

ちょっとややこしいですが、イギリス発祥のイングリッシュ・コッカー・スパニエルの祖先はスペインからやってきたという事ですね。

体の大きさが違う

そもそもスパニエル種は体の大きさや狩猟対象によって

ランド・スパニエル
ウォーター・スパニエル
トイ・スパニエル

3種類に分けられます。

その中のトイ・スパニエルが今回取り上げている2種に該当するのですが、その中でも更に小さいのがアメリカン・コッカー・スパニエルです。

猟犬ならではの忠実で頭の良さがアメリカでウケたイングリッシュ・コッカー・スパニエルを、家庭でも飼いやすいようにと小型に改良されました。

小型化と言っても実際は中型犬で、体高は34~39cm前後で、体重は12kg前後です。

飼いやすい大きさに改良した結果、アメリカでは猟犬としてだけではなく愛玩犬としても普及していきます。

対してイングリッシュ・コッカー・スパニエルは体高38~41cm体重14kg前後と一回り大きくなります。

鳥猟を得意としていただけあって筋肉質でがっちりとしています。

顔が違う

一番分かりやすい違いですね。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは口吻(こうふん・マズルのこと)が長く獲物も加えやすい形をしています。


■イングリッシュ・コッカー・スパニエルはマズルが長い!

アメリカン・コッカー・スパニエルは口吻が短いのが特徴です。


■アメリカン・コッカー・スパニエルはマズルが短め…!

性格が違う

どちらも温厚でフレンドリーで穏やかですが、アメリカン・コッカー・スパニエルの方が社交的で人に寄っていく甘えん坊タイプです。

これは愛玩犬として改良された結果で、家庭での飼いやすさが評価される点のひとつです。

もちろんイングリッシュ・コッカー・スパニエルも性格上飼いやすい犬種ですが、どちらかというと飼い主に従順で独立心が強いため、甘える時もあれば一人で過ごしたい時もある…という違いが見られます。

ですがどちらも基本的には他の動物とも仲良くなれるため、多頭飼いにも向いています。

必要な運動量が違う

もともと猟犬として改良されたイングリッシュ・コッカー・スパニエルの方がやはり一日の必要運動量は多いです。

散歩も1日2回を30~40分行わないとストレスが溜まってしまうでしょう。

これに加えて遊びの運動ができると最高です。

狩猟の血が騒ぐ、ボールを投げてトッテコイで遊んだりすると喜びます。

その際は広場でロングリードの使用がおすすめですよ。

ただし周りに人が大勢いると、好奇心旺盛なイングリッシュ・コッカー・スパニエルはボールそっちのけで人々に絡んでいく可能性大です(笑)

そのため、なるべく人の少ない時間帯を選んだほうが良いかもしれませんね。

また、アジリティ(遊具)にも向くほど運動が得意なので、遊び感覚でチャレンジしてみるのも良いでしょう。

対してアメリカン・コッカー・スパニエルはイングリッシュ・コッカー・スパニエルほど運動量は必要ありませんが、それでも元猟犬のため運動量は確保しなければなりません。

1日2回30分は最低でも散歩時間を取ってあげましょう。

もちろんこの犬種もアジリティが得意の運動家です。

遊べる時には外でしっかり体を動かしてもらいましょう。

被毛のカラーが違う

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは歴史が長いのもあり、カラーが豊富です。

斑模様や地色にホワイトの混ざったローンタイプなど、変わった毛色も楽しめます。

アメリカン・コッカー・スパニエルも毛色は徐々に増えていますが、イングリッシュ・コッカー・スパニエルほどのカラーバリエーションはまだありません。

また、基本的には単色カラーが好まれます。

2種に共通する気を付けたいこと

被毛のお手入れ

イングリッシュ・コッカー・スパニエルとアメリカン・コッカー・スパニエルの被毛はどちらもシルクのような手触りで、直毛やウェーブがかかった毛並みがゴージャスで優雅です。

ですが、逆にいえばお手入れが大変!

毛量も多くウェーブもあるためか、ちょっと歩いただけであらゆるゴミが付いてきます。

そのため散歩後にはしっかりブラッシングをしてあげた方が安心です。

散歩後だけとはいわず、一日終わりなどに1回はブラッシングをしてあげないと美しい被毛は保てません。

放っておくと皮膚病にもなりかねないので、十分注意しましょう。

シャンプーも1ヶ月に1度はしたいところです。

耳のお手入れ

コッカー・スパニエルといえば大きな垂れた耳についても注意が必要です。

どちらのコッカー・スパニエルも耳内の通気性が悪いため、放っておくと耳の中にカビが生えたり耳の病気になってしまいます。

1週間に1~2回は湿らせたコットンなどで耳の内側をきれいにしてあげることがおすすめです。

さらに水を飲んでいる時に耳がチャポンと浸かってしまう場合も…。

毎回拭いてあげるのがベストですが、難しかったら器で水を飲ませずにペット給水器を使用すると良いですね。

運動量

どちらも運動量が必要な犬種ですが、運動量が足りないと一体どうなるかというと…

・ストレスで病気になる
・ストレスで物を荒らす&壊す
・肥満になる
・凶暴化する

などが挙げられます。

せっかく家族に迎え入れた可愛い愛犬がこうなってしまうと、飼い主は悲しいばかりです。

犬の健康に為にも、運動量は必ず確保しましょう。

まとめ

今回はイングリッシュ・コッカー・スパニエルとアメリカン・コッカー・スパニエルの違いについて紹介しましたが、あなたはどちら派だったでしょうか?

それとも両方派?

知れば楽しい犬種の違い。

コッカー・スパニエルを見かけたらこの記事を思い出して頂けると幸いです。