うさぎにも熱中症対策が必須!予防や症状、応急処置を知っておこう

黒いうさぎとひまわり
ウサギ

うさぎと過ごすはじめての夏に不安を感じていませんか?

「うさぎは暑さに強いのかな?」「うさぎにはどんな暑さ対策が必要なのだろう」など、飼い主さんの不安は尽きないでしょう。

そこで今回は、うさぎの熱中症について解説します。

熱中症の予防法のほか、症状や応急処置についてもお伝えしますので、うさぎが元気に夏を過ごせるよう準備しておきましょう。

うさぎは暑さに弱い!早めの対策が必要

晴れた日に外で過ごすうさぎ

うさぎは暑さに弱い動物です。

そもそも、ペットのうさぎの祖先であるアナウサギは、土の中で暮らしていました。

自分で体温をコントロールすることが苦手なアナウサギは、暑い季節には穴を掘り、ひんやりとした土の中で過ごしたのです。

では、なぜ体温をコントロールするのが苦手なのでしょうか?

それには、うさぎの身体の構造が関係しています。

うさぎには汗腺がほとんどないため汗をかくことができません。

また、うさぎの皮膚は被毛に覆われているため、熱がこもりやすくなっています。

犬のように舌を出して呼吸することもなく、体温をコントロールする手段が少ないのです。

そんなうさぎの体温調節に役立っているのは長い耳です。

うさぎの耳の表面近くにはたくさんの血管があり、外気にあてることで体温を下げられます。

ただし「ホーランドロップ」のようなたれ耳の品種や「ネザーランド・ドワーフ」のような耳が短い品種のうさぎは、体温調節がとくに苦手です。

このような品種のうさぎを飼育する場合は、入念に暑さ対策をしましょう。

暑さ対策が必要となるのは、朝と日中の気温差が大きくなる5月頃からです。

この時期は、朝は涼しくても日中急激に気温が上がることが多いので、注意が必要です。

日中飼い主さんが留守にすることが多い場合は、とくに早めの対策をおすすめします。

うさぎが熱中症になるとどうなる?

窓辺で日に当たるうさぎ

うさぎにとって熱中症は、命に関わることもあるほど重大な症状です。

身体に熱がこもり体温が上昇すると、うさぎの呼吸は荒くなります。

また、身体を伸ばして表面積を増やし、少しでも熱を逃がそうとする様子も見られるでしょう。

それでも体温が上昇すると、大量のよだれをたらしはじめたり、末梢血管の拡張にともない耳が真っ赤になったりします。

症状が進むとうさぎは衰弱し、水を飲むことも難しくなります。

ふらついて立ち上がれなくなったり、意識障害を引き起こしたりすることも少なくありません。

うさぎの熱中症は症状の進みが早く、死に至ることもあるのです。

うさぎの熱中症を予防するには?

ソファで過ごす子うさぎ

うさぎの熱中症は急激に悪化するため、助けられないケースも多く見られます。

そのため、予防が非常に大切です。

エアコンで温度を調節する

うさぎの熱中症予防の基本は、適切な温度管理です。

うさぎが過ごしやすい室温18〜24℃、湿度40〜60%くらいに設定し、1日中エアコンをつけっぱなしにしておきましょう。

飼い主さんが少しひんやり感じるくらいの温度が、うさぎにとっては快適なことを覚えておきましょう。

ひんやりグッズを活用する

ペットショップなどに行くと、ペット用のひんやりグッズがたくさん販売されています。

うさぎが使えるものとしては、アルミや天然石などでできたプレートや、接触冷感素材を使ったマットなどがあります。

その中でもとくにおすすめしたいのが、アルミ製のプレートです。


アルミ製のため、かじり癖のある子にも安心して使えます。

プレート自体が薄いので、警戒心の強いうさぎでもスムーズにのってくれるでしょう。

冷たい水でプレートを冷やしてから使うと、より冷却効果が高まります。ぜひ暑い日に試してみてくださいね。

こちらの商品のように溝のないタイプなら、プレートの上で粗相をしても洗いやすいですよ。

このようなグッズは、プレートやマットの上にうさぎが寝そべってひんやり感を味わうのが目的です。

グッズを使えば暑さ対策が万全というわけではないため、エアコンと併用して使うようにしてくださいね。

ケージの置き場所に注意する

ケージを置く場所も、熱中症のなりやすさに関わります。

直射日光があたる場所はもちろん、窓の近くも避けたほうがよいでしょう。カーテンを閉めていたとしても温度が上がりやすいからです。

また、湿気がたまりやすい風通しの悪い場所も、ケージの置き場所として適当ではありません。

暑さ対策の観点から考えると、うさぎのケージは温度が上がりにくく、風通しのよい場所に置くのがベストです。

ちなみに、エアコンの風が直接あたる場所もNGです。うさぎの身体に負担がかかるため、気を付けましょう。

うさぎの異変に気づけるように注意を払う

うさぎの異変にすぐに気付くことも、熱中症予防につながります。

「いつもと様子が違う」「元気がない気がする」といった些細な変化は、一番近くにいる飼い主さんしか気付けません。

少しでも気になることがあったら、注意深く様子を見守るようにしましょう。

暑い季節は、通常よりも頻繁に様子を見ることも必要です。

うさぎは体調が悪くなると飲水量や食事量に変化が表れやすいので、普段から「どのくらいの量を食べるのか」「どのくらいの水を飲むのか」を観察しておくことをおすすめします。

うさぎが暑がっているときのサイン

寝そべっているグレーのうさぎ

うさぎが暑がっているときには、以下のようなサインが見られます。

・身体を伸ばして寝そべっている
・水をたくさん飲む
・呼吸が荒い
・耳が赤い
・耳を振る

身体を伸ばして寝そべっていたり、水をたくさん飲んだりといった行動は、気温が上がってくるとよく見られます。

我が家でも、床の上やひんやりプレートの上で寝そべっている姿をよく見かけました。プラスチック製のかごの中で寝そべっていたこともあります。暑いときにひんやり感を味わいたいというのは、人もうさぎも同じようですね。

暑くなると、うさぎは水をたくさん飲むようになります。

「暑いときには冷たい水をあげたいけれど、大丈夫かな?」と考える飼い主さんもいるかもしれませんが、問題ありません。

給水ボトルに氷を入れておくと、冷たくて喜んでくれるうさぎもいるようです。

なお、夏は水が傷みやすいので、一度にたくさんの水を給水ボトルに入れておくことはおすすめできません。

できれば1日に数回、給水ボトルを洗浄し、こまめに水を入れ換えてあげましょう。

飲み水の衛生面には十分気を付けてくださいね。

うさぎがかなり暑がっているときには「呼吸が荒い」「耳が赤い」「耳を振る」といった仕草を見せます。

このようなサインは、熱中症になりかかっている状態です。

すぐにエアコンをつけて室温を下げましょう。

うさぎが熱中症になってしまったら?

獣医師の診察を受けるうさぎ

うさぎの熱中症は急激に悪化するため、初期の段階で気づき、早急に対応することが必須です。

病院へ行くまでに飼い主さんがやるべきこと

「べたっと寝そべって動かない」「呼吸がかなり速い」「耳が熱い」といった症状がある場合、すでに熱中症を発症しており、うさぎにとってはかなりしんどい状態だと考えられます。

すぐにエアコンをつけ、部屋の温度を下げましょう。

それと同時に、うさぎの身体を冷やします。

タオルを巻いた保冷剤や冷たいタオルを、うさぎの耳やあごの下付近にあててください。

身体を冷やすといっても、直接水をかけたり水につからせたりしてはいけません。

獣医師が「身体に水をかける必要がある」と判断するケースもありますが、飼い主さんが独自の判断で行うのは危険です。

飼い主さんは、うさぎの身体を冷やす程度にとどめておきましょう。

うさぎの意識があり水分を摂取できそうなら、経口補水液を与えます。


「意識がない」「ぐったりしている」「立てない」など症状がひどい場合は、ただちに動物病院を受診しましょう。

処置後に元気が戻った場合も、動物病院の受診は必須です。

うさぎは一度熱中症になると体温調節機能が乱れやすくなるため、熱中症を発症しやすくなってしまいます。

症状が落ち着いたからと安心せず、動物病院に連れて行くようにしてくださいね。

移動中のキャリーにも暑さ対策が必要

動物病院へ行く途中も暑さ対策が必要です。

キャリーバッグの中にタオルを巻いた保冷剤を入れ、うさぎの身体を冷やしながら移動できるようにします。

車で移動する場合は、あらかじめエアコンを入れ、車内の温度をある程度下げてからうさぎを乗せるようにしましょう。

移動中、被毛の内側に風をあてたり、生野菜を食べさせたりするのも体温を下げる効果が期待できます。

うさぎが少しでも早く楽になれるように、身体を冷やしながら移動しましょう。

停電時にも慌てない!熱中症予防アイデア

ブランケットの上に座るうさぎ

うさぎの熱中症予防にエアコンは必須ですが、もしも停電が起きてしまったらどうしたらよいのでしょうか?

停電が起きた場合でもうさぎの健康と安全を守れるよう、普段から備えておく必要があります。

停電などの非常時に重宝するのが、氷や保冷剤です。

普段から氷を多めに作ったり、水を入れたペットボトルを凍らせたりしておくと、いざというときに役立ちます。

エアコンが使えなくなったときには、保冷剤や凍らせたペットボトルをタオルで巻き、ケージ内に置きます。

うさぎが自分で保冷剤などに身体をあてられるように、置き方を工夫しましょう。

30度を超えるような暑さの中では、氷はすぐに溶けてしまいます。普段から多めに用意しておいてくださいね。

そのほか、電力を使わないひんやりグッズを備えておくのも、停電のときに役立ちます。

こちらの「ひんやりハウス」は、ハウスの上部に保冷剤をセットして使うグッズです。


電力を使わなくてもマイナス6~8度を8時間以上キープできます。

うさぎの健康を守りながら節電効果も期待できますね。

また、室温の上昇を防いでくれる、断熱効果のあるカーテンもおすすめです。


断熱カーテンを使うとエアコンの効きもよくなり、節電につながります。

こちらのようにカラーバリエーションが豊富で、おしゃれな商品もたくさんありますので、チェックしてみてはいかがでしょうか?

まとめ

木目の壁とうさぎ

温度も湿度も高い夏は、うさぎにとって非常に過酷な季節です。

夏を元気に過ごすには、飼い主さんが正しい知識を持ち、適切な暑さ対策を講じることが欠かせません。

この記事を参考に、うさぎの暑さ対策について考えてみてくださいね。