母性溢れる猫の子育て~妊娠から出産育児、親離れまでの流れ~

どの世界でも、子供を産んで育てるというのは命懸けですよね。

子供を養い、守り、時には優しく時には厳しくしつける。

親は本当に大きな仕事をしてくれていたんだな、と大人になった今だからこそ、実感することがあります。

人間の子育てと同じく、猫の子育ても親の愛情がひしひしと感じられます。

人間の子育てと似ている所もあれば、猫の世界ならではの苦労も。

今回は、普段あまり見る機会のない猫の子育てにスポットを当ててみました。

子供のために奮闘する親猫の姿に、きっと心揺さぶられると思いますよ。

猫の発情から妊娠まで

猫は早くて生後半年頃から、初めての発情期を迎えます。

メスは日照時間が長く暖かい時期に発情します。

これは子猫が豊富な食料と暖かい気候のもとで、きちんと育つようにするため。

オスはメスに合わせるので、繁殖のタイミングはメスが決めているんですね。

繁殖期は2月~4月頃と6月~8月頃、年に2、3回やってきます。

1回に産む子供の数は1~8匹ほど。

平均3~5匹と言われています。

この繁殖力の強さゆえに、不妊去勢手術が必要になるんですね。

猫は交尾をした後に排卵するため、妊娠中も別のオス猫と交尾ができます。

ですから、1回の出産で父親の違う子供が産まれることも!

同じ母親から産まれたのに、毛色が違うことがあるのはこのためです。

猫の妊娠期間は63日~65日

見た目で妊娠が分かるのは30日くらいからで、お腹や乳房がふっくらしてきます。

40日頃になると食欲や体重が増し気性が荒くなります。

50日頃からはっきりと胎動が感じられるように。

複数の子猫がお腹にいると、ものすごい勢いで動くようです。

出産間近の60日頃になると、落ち着かなくなり出産場所を探すようになります。

いよいよ出産!

食欲ががくっと落ち、母乳が出始めるといよいよ出産の時です。

暗く人の目がない場所で出産することがほとんどです。

出産にかかる時間は長くても3時間ほど。

陣痛や破水が起きるのは人間の出産と同じです。

1匹ずつ羊膜に包まれた赤ちゃんが出てきて、母猫は羊膜を舐めて食べます。

母猫はたった一匹で、出産とその後の赤ちゃんのケアを行うのですからすごいですよね!

子猫につきっきりの子育て

産まれたばかりの子猫は、か弱く母猫が頼りです。

そのため母猫はほとんど子猫の側を離れず、ミルクをあげたり毛づくろいをしたりして過ごします。

食事のために数分子猫から離れることもありますが、すぐに戻ってきます。

母猫が警戒を怠らないのは、オス猫の存在があるためです。

猫の社会では、子育ては基本的にメスのみが行います。

オス猫は関わらないばかりか、子猫を殺す「子殺し」が起きることがあるのです。

メス猫は子育て中には交尾をしないため、オス猫は子猫を殺して交尾をしようとします。

自分の子孫を残す本能的な行動とはいえ、ショッキングですよね…。

猫界の常識が覆る!?オス猫も子育てに参加!

これまでオス猫は子育てに参加せず、子猫にとって危険な存在になり得ると考えられてきました。

しかし最近の研究で、オス猫も甲斐甲斐しく子育てをする様子が捉えられたのです!

母猫が子育てをしている縄張りに、1匹のオス猫が入ってきました。

子殺しのためか、と思ったその時、子猫に鼻を近づけて顔をすり寄せ、自分の匂いを付けたのです。

母猫もリラックスして様子を見守っています。

それだけでなく、他のオス猫が寄り付かないよう周囲にマーキングをしたり、やって来たオス猫を攻撃して追い返したり、まるでガードマンのよう。

これまで知られていませんでしたが、猫にも父性があるのかもしれませんね!

子猫の成長はスピーディ!

子猫の成長には個体差がありますが、生後1~2週間経つと目が見え、が聞こえ始めます。

生後3週間頃には自力で少しずつ歩くように。

おぼつかない足取りで歩く姿はたまらなく可愛いですよね!

また、この頃は乳歯が生え始める時期です。

母猫は相変わらず授乳や排泄の世話などで忙しくしています。

栄養たっぷりの母乳を飲んで、子猫は1日に10g以上体重が増えます。

1年で成猫になるのですからあっという間ですよね。

生後1ヶ月ほど経つと離乳の時期です。

子猫がミルクをねだっても拒否する様子が見られます。

母猫は子猫のために食べ物を運び、これが食べ物だと教えるようです。

母親の行動や教えから学ぶのは、人間と同じですね。

母猫はお腹が空いていても、まず子猫に食べさせて様子を見守ります。

愛情が垣間見えるシーンですね。

生後2か月頃までに、狩りの仕方猫界のルールを教え込み、一人前の成猫に育てるのです。

子猫は好奇心旺盛でエネルギッシュ!なんでもおもちゃにして遊びます。

遊びに付き合ったりしつけたりする母猫も、エネルギーを消耗することでしょう。

生後3ヶ月を過ぎると親離れの時期がやってきます。

母猫は子猫に噛み付いたり、威嚇したりして遠ざけます。

子供がメスの場合は一緒に暮らすこともありますが、オスの場合は手加減なし。

子猫にとってはいきなり母親から突き放されるので、ショックが大きいですよね。

かわいそうに感じますが、立派な成猫になるための登竜門です。

生後6ヶ月頃には完全に親離れし、一匹で猫の世界を生きていきます。

まとめ

母猫の妊娠から子育てまでの流れをご紹介しました。

猫の子育てはまだまだ研究の途上で、新しい発見もあると思います。

秘められた猫の社会をより知れたらいいですね!