フクロウってペットにできるの?生態や飼育方法を紹介

フクロウ

もふもふの羽毛、丸くて大きな目、音もなく飛び、獲物を捕らえるハンター。

皆さんはフクロウについてこんなイメージをお持ちかもしれません。

最近はフクロウカフェなどでフクロウと触れ合う機会が増えたものの、あまり身近な存在ではないですよね。

今回は、フクロウってどんな鳥なの?飼ってみたいけどペットにできるの?などの疑問にお答えしたいと思います。

フクロウはどんな鳥?

フクロウ

フクロウはユーラシア大陸北部にかけて広く生息している鳥です。

日本では北海道から九州まで生息しており、種類はシマフクロウ、エゾフクロウ、キュウシュウフクロウなどがいます。

体長は50cmほど、お面を付けたような顔と大きな目、鋭い爪を持っています。

首がすごく回転するのが特徴で、その角度はなんと270度!

最大限回した姿はぎょっとします…。

こうすることで視界が広がり、より多くのものを見ることができるのです。

翼を広げた時の長さは94cmほどで、音を全く立てずに羽ばたけます。

そのため、獲物に気付かれることなく傍に行き、捕らえることができます。

視覚や聴覚も優れているので、夜の暗闇でも活躍できるのです。

昼間は木の枝や樹洞で眠っていて、夜になると活動を始めます。

餌はネズミやヤマネ、モグラなどの小型の哺乳類や爬虫類、昆虫です。

10cm程度のネズミを丸呑みする姿は迫力があり、可愛い見た目とのギャップがあります。

フクロウって飼えるの?

フクロウ

結論から言うと、飼えます。

野生のフクロウを捕まえて飼うことは、ワシントン条約に反するのでできませんが、ペットショップなどで手に入れられます。

しかし、フクロウの飼育はとても難しいと言われています。

猛禽類(もうきんるい)であり、鋭いくちばしや爪を持っているので扱いには注意が必要です。

また、犬や猫のようにペットとして飼う方法が確立されていません。

しつけをしたり芸を覚えさせたり、べったり触れ合ったりといったことは難しいでしょう。

食事もドライフードやウェットフードを与えるというわけにはいきません。

生肉を主食とするので、マウスやヒヨコをさばく必要があります。

このように、フクロウを飼うには多くの知識や技術がいります。

飼いたい!という軽い気持ちで飼える生き物ではないのです。

フクロウの飼育方法は?

フクロウ

飼育できるフクロウの種類は、小型のコキンメフクロウ、モリフクロウ、白い顔が特徴のメンフクロウなどです。

値段は種類によって異なりますが、10万円~40万円ほどかかります。

フクロウの飼い方は観察型飼育と交流型飼育に分けられます。

手の上に乗せたり撫でたりといった触れ合いを求める場合は交流型になりますが、フクロウの性格はそれぞれで警戒心が強い子もいるので、慎重に見極めましょう。

フクロウを放し飼いにするか、ケージに入れるか、という点でも意見が異なります。

お世話のしやすさ、安全面、フクロウにストレスがかからないかなどを考えて決めると良いでしょう。

準備するもの

アンクレットとジェス

まず「アンクレット」と呼ばれる、フクロウの足に取り付ける革製の輪と、アンクレットに通して使う「ジェス」と呼ばれる紐が必要です。

万が一外へ逃げてしまう、という事態を防げますし、部屋の中でも家具などにぶつかってケガをしたり、何かを誤飲したりといった危険を防げます。

フクロウの足のサイズにあったものを選んであげましょう。

古くなると切れることがあるので、定期的に交換します。

また、ジェスに取り付ける「リーシュ」と呼ばれる紐が必要なこともあります。

あらかじめジェスと一体になっているタイプは良いですが、別の場合は準備しましょう。

購入することも、登山用ロープを使って自作することもできます。

≪アンクレットやジェスはこちらのサイトで購入できます≫
・ハンティングアニマル:http://hunting-animal.jp/
・小動物専門店ペットショップマリン:https://www.ferret-marin.com

止まり木と人工芝

他にはフクロウが普段過ごす止まり木と、それに巻く人工芝が必要です。

人工芝は消耗品なので、傷んできたと感じたら取り替えましょう。

止まり木の下にはフン対策のために新聞紙を敷くと良いです。

水浴び用の容器


フクロウは体を綺麗にするために水浴びをします。

フクロウの体が入れるくらいの容器に水を入れ、好きな時に水浴びできるようにしてあげてください。

ケージ


フクロウをケージに入れて飼育するという場合はケージが必要です。

丁度良い大きさはフクロウの体のサイズによって異なりますが、羽ばたいても窮屈にならないくらいのスペースは欲しいですね。

キャリーバック

病院へ行く時など移動するために使うキャリーバックも準備しましょう。

フクロウの安全面や掃除のしやすさなどを考えると、ハードキャリーバックが良いでしょう。

キャリーバックの側面に穴が開いている場合、翼が引っかからないようにダンボールで塞いであげると安全です。

食事

フクロウの餌はネズミやマウス、ウズラなどの生肉です。

野生では丸呑みですが、飼育下ではさばいて一口ずつ与えるのが一般的です。

冷凍で内臓処理を行っているものは与えやすいのでおすすめです。

昆虫を好む子もいるので、コオロギミールワームを与えるのも良いと思います。

与え方は、お皿に入れてフクロウが自由に食べられるようにすることもできますし、ピンセットで直接あげることもできます。

まだ人に慣れていないフクロウの場合は、お皿で与える方が良いでしょう。

与える回数は1日1~2回です。

定期的に体重を量り、体重が減っているようならマウスを増やすなど種類や量を調節しましょう。

まとめ

フクロウを飼うには専用の道具や餌の準備が必要ですし、試行錯誤をしながらのお世話になるので難しいと感じるでしょう。

お迎えする前に、フクロウの生態やお世話の手順、自分が本当に飼えるのかどうかをきちんと考えることが大切です。

べったり触れ合って絆を深めるというタイプの動物ではありませんが、フクロウのストレスにならないような形でお世話をしていくと、フクロウ特有の可愛さに気付かされます。

性格によりますが、人にとてもよく慣れて頭や胸元を撫でるとうっとりした表情を見せてくれることもあります。

ひとつひとつの仕草を観察すると、今まで知らなかったフクロウの魅力を見つけることができるでしょう。