犬の散歩時のマナーを知ってる?町にも優しい飼い主になろう

飼い主と散歩をするコーギー

犬の飼育は、ただごはんを与えてトイレのお世話をするだけではありません。

飼い主自身がしつけを覚えさせたりマナーを守ったりすることで、少しずつドッグオーナーとしての自覚を育みましょう。

今回は、犬の散歩で守るべきマナーについてご紹介します。

特に初めて犬を飼育する人は事前にマナーを学び、人にも町にも優しい飼い主を目指してくださいね。

マナーを守る大切さ

公園で休む女性と犬

すべての人が犬を好きなわけではない

犬の散歩マナーを守る理由は、人と犬が安心して共存するためです。

そして、この「人」の中には「犬が嫌いな人」や「犬に苦手意識を持っている人」も含まれています。

愛犬家にとって、犬は目に入れても痛くない愛おしい存在です。

しかし、この世のすべての人が犬を可愛いと思っているわけではありません。

マナーの守り方は「犬嫌いの人にも受けいれてもらえるか」を基準とし、高い意識を持って取りくみましょう。

「禁止されていない=許されている」ではない

犬の飼育に関しては、法律で定められているものとそうでないものがあります。

例えば狂犬病ワクチンの接種は飼い主の義務ですが、排泄物を持ちかえらなくても法的に罰せられることはありません。

しかし勘違いをしてはいけないのは、「禁止されていないことは許されているわけではない」ということです。

もしも自分の家の前に犬のうんちが落ちていたらどう思いますか?毎日子どもを遊ばせている公園の遊具におしっこをされていたら……?

マナーは目に見えない曖昧さがあるからこそ、良識に委ねられています。

自分を含めたすべての人が気持ちよく過ごせるように、モラルを守りましょう。

迷ったら環境省発行のガイドラインを参考に

本を読んでいる犬

マナーが大切だとわかっていても、「この場合ってどうするべき?」と迷ってしまうこともあるはずです。

不安を感じたときは、環境省が発行している「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」を参考にしましょう。

リンク先のガイドラインの11~12Pにかけて、散歩におけるマナーの基準が記載されています。周囲への配慮を考えた共存方法が学べるため、ぜひ1度読んでみてくださいね。

【環境省】住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン

【歩行編】犬の散歩マナー

犬の散歩をする男性

ノーリードは絶対にNG

犬の散歩をするときは、必ずリードを装着させて輪の部分を持ちましょう。

「ノーリードの散歩に憧れる」と言う人もいますが、飼い主と愛犬の安全の観点からは絶対にNGの行為です。

どんなに信頼関係がありしつけができていると思っても、突然の飛びだしやパニックなど何が起こるかわかりません。

また、ノーリードは周囲の人たちにも不安を与えてしまいます。

「うちの子だけは大丈夫」は禁物なのです。

リードの長さはスタンダードに

昨今はロングリードも多く展開されていますが、通常時の散歩では1~1.5mほどのスタンダードな長さのリードを使いましょう。

長いリードは広いスペースでの運動や訓練には適していますが、街中の散歩では飛びだしによる事故の危険性があります。

同じ理由でリールタイプのリードを使う場合も、適切な長さに固定して使いましょう。

飼い主はスマホやイヤホンを使わない

散歩中は愛犬ばかりに意識が向きやすく、周囲への注意力が散漫になりがちです。

自転車や小さな子ども、ベビーカーなど、外の世界は危険がいっぱいです。

歩きスマホはもちろん、イヤホンを付けたまま歩くことがないように心がけてください。

自転車のベルや周囲の歩く音に気づければ、怪我や事故を防止できます。

【トイレ編】犬の散歩マナー

散歩中に犬に触る女性

うんちは必ず持ち帰る

「愛犬の排泄物は、飼い主が責任を持って必ず持ち帰る」

これは、犬の散歩マナーの基本中の基本です。

しかし悲しいことに、当然のルールを守っていない飼い主さんもいます。

「草むらだから」「目立たない場所だから」「人が来ない場所だから」などは、すべて言い訳でしかありません。

どのような状況であろうと、必ず持ちかえられるように準備をしておきましょう。

おしっこは水で流して拭きとる

散歩中におしっこをしたくなるのは、マーキングとしての犬の本能です。

中には「おしっこは水で流せば十分」と言う人もいますが、実際は流すだけではマナーとして不十分です。

水で薄めた部分をさらにトイレシートで拭き、色や臭いが残らないように処理を行ってくださいね。

迷惑のかかる場所ではさせない

「ちゃんと処理やケアをすればどこでも粗相をしてもいい」というわけではありません。

処理はあくまで「粗相をしてしまったときの緊急対策」として考え、基本的には迷惑のかかる場所ではさせないように心がけてください。

具体的には、他人の家の前や商店街の入口、お店の入口などです。

我慢できなさそうなときには人通りの少ない場所に誘導し、他の人の迷惑にならない場所でさせましょう。

【犬同士の挨拶編】犬の散歩マナー

散歩中に戯れる二頭の犬

相手の犬の性格に配慮をする

犬同士が擦れちがったときにお互いに挨拶ができれば、社会化の訓練になります。

しかし、すべての犬が社交的なわけではありません。

相手の犬が人(犬)見知りである可能性も加味し、配慮のある距離感を設けましょう。

特に犬のサイズに差がある場合は、大きな事故を招く可能性もあります。

相手に触れさせないようにリードを調整する

犬同士の距離感をコントロールするのは、飼い主さんの仕事です。

相手の犬に触れさせないようにリードを短めに持ち、飛びだしに注意をしましょう。

こちらが普通の長さでリードを持っていても、相手方がリードを長くして持っている可能性もあります。

飼い主さんにピッタリと寄りそう程度の短さで持つようにすると安心です。

相手に無闇に触らせない

一見すると普段通りに見えていても、愛犬の心理状態の変化やストレスには飼い主さんでも気づきにくいものです。

「普段は触られても平気だから」と楽観視せずに、相手に無闇に触らせないように心がけてください。

特に、相手が他所の犬を触ることに慣れていない場合は注意が必要です。

小さな子どもが相手の場合は、愛犬を抱っこして遠ざけるのも1つの手段です。

愛犬にも相手の犬にもおやつをあげない

人間の育児と同じように、犬のおやつタイムやおやつの内容には家庭での違いがあります。

挨拶中に愛犬におやつを与えてしまうと、その姿を見た相手の犬に不必要な我慢をさせてしまうかもしれません。

また、相手は食品アレルギーを持っている可能性もあります。

犬同士の挨拶の間はおやつを取りださず、愛犬には別れてから与えてあげましょう。

飼い主同士のコミュニケーションも忘れずに

犬だけではなく、飼い主同士のコミュニケーションも大切です。

犬の散歩は愛犬の健康維持のためだけではなく、人間のご近所付き合いを広げてくれるメリットもあります。

飼い主同士で親交を深めることで、おすすめスポットや注意事項を共有してくれることもあるでしょう。

マナーのある散歩のための普段のしつけ

散歩中に犬を落ち着かせる女性

「待て」の号令を覚えさせる

安全に散歩をさせるためにも、散歩デビューの前に「待て」のしつけを覚えさせましょう。

「待て」ができるだけで、人や犬への飛びだしを防止できます。

また、誤飲や事故を未然に防ぐことも可能です。

他人に飛びつかないようにしつける

散歩中の犬の足の裏は、土や雑菌などさまざまな汚れが付着しています。

もしも他人に飛びついてしまうと、怖がらせる可能性があるだけではなく洋服を汚してしまうこともあるでしょう。

「待て」をしつけるだけではなく、「知らない人に飛びつくのはいけないこと」と覚えさせてください。

厳しく伝えるだけではなく、我慢ができたらご褒美もあげてくださいね。

リーダーウォークをしつける

リーダーウォークとは、犬が飼い主よりも前に行かずに横に寄りそって歩くように覚えさせるしつけです。

リーダーウォークを身に付けることで、事故防止になるだけではなく、主従関係の確立もできるでしょう。

室内でのトイレに慣れさせる

犬はしつけをしない限り、トイレは外でするものと思っている生き物です。

家庭犬としてしつけを受ける中で、室内でのトイレを覚えることで、習慣になります。

そのため、散歩中の粗相を減らすためにはトイレトレーニングが必要です。以下の記事では犬のトイレのしつけについてまとめていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

小さな頃から社交化を進める

子犬は生後4ヵ月頃から恐怖期(思春期)に入るといわれています。

恐怖期に入る前に散歩デビューを終わらせておくと、スムーズな社交化が期待され、人見知りする心配も減ります。

初めての散歩に心配は付きものですが、ワクチンや最低限のしつけの準備ができたらできるだけ早く外の世界に連れだしてあげましょう。

犬の散歩で飼い主が持ち歩くべきもの11選

ベンチで休む女性と大型犬

ビニール袋


犬の散歩で絶対に忘れてはいけないアイテムの1つが、ビニール袋です。小さなビニール袋を2~3枚は常備しておきましょう。

うんちの片づけにはもちろん、使い終わったティッシュやトイレシートも入れられます。

「入っているだろう」と思っていたら、偶然切らしていて慌てることもありえます。重さも軽く場所も取らないビニール袋は、多めに持っておいて損はないでしょう。

マナーポーチ


ビニール袋に入れたうんちをそのまま鞄に入れるのは、少し気が引けますよね。

そんなときに活躍してくれるのがマナーポーチです。

消臭力に優れているため、嫌な臭いを閉じこめてくれます。

カラーやデザインが豊富なのも嬉しいポイントです。

トイレットペーパーやティッシュ


ペーパー類は、うんちを拾ったりちょっとした汚れを拭いたりするのに活躍してくれます。

普段から家のトイレで使っているものを散歩用に併用して構いません。

ウェットティッシュ


愛犬のお口周りやお尻周りを拭けるように、ウェットティッシュを常備しておきましょう。

すぐに汚れを拭きとるのが目的なので、赤ちゃん用のお尻ふきなどでも構いません。

愛犬の肌のためには、アルコールフリーの商品を選ぶことをおすすめします。

トイレシート


犬のおしっこは本能に基づいた行為のため、普段は我慢できる子でもうっかり粗相をしてしまうことがあります。

家で使っているトイレシートを、散歩用に1枚入れておきましょう。

飲むための水


特に夏場のお散歩で絶対に用意しておきたいのが、飲むためのお水です。

ペットボトルに取りつけて飲ませられる道具もあるため、バッグに入れて持ち歩くようにしましょう。

心身のストレス軽減にはもちろん、熱中症予防にもなります。

また、与える際は、飲みやすくかさばらない折りたたみ式のボウルを使うのがおすすめです。

マナーのための水

飲み水とは別に、おしっこを流すための水も必要です。

別の用途で使う2本のペットボトルを持ち歩くため重さを感じてしまうかもしれませんが、「安心のための重量」だと思ってがんばりましょう!

フードポーチ


ちょっとしたおやつを入れておけるフードポーチも持ち歩くと便利です。

散歩中に犬が号令を聞いてくれたときや、我慢をしてくれたときに与えてあげましょう。

シリコンなどの洗いやすい素材がおすすめです。

消臭スプレー


犬が粗相をしたときは、片付けるだけでなく消臭スプレーもかけられればより素敵です。

手のひらサイズの小さいものも展開されているため、ぜひ用意しましょう。

特におしっこを流した後に重宝します。

お気に入りのおもちゃ


公園や広場などに散歩に行くときは、一緒に遊べるおもちゃを用意してあげましょう。

特にボールやフリスビーなど、広い場所でこそ楽しめるおもちゃは犬も喜びます。

室内とは違う環境で思いきり体を動かし、人も犬もリフレッシュをしましょう!

夜の散歩用の反射板


夜にお散歩をさせるときに、必ず装着させたいのが反射板です。

車はもちろん、自転車や歩行者からも愛犬を守ることができます。

首輪タイプやテープタイプもあるため、愛犬のサイズや好みに合わせて付けてあげるとよいでしょう。

まとめ

散歩中に飼い主に飛びつく犬

今回は、犬の散歩のマナーや必要なアイテムをご紹介しました。

散歩のマナーには、飼い主の倫理観が色濃く反映されます。

すべての人にとって住みやすい町を作るために、思いやりとマナーのある散歩を楽しみましょう。