【ペットショップ店員が解説】うさぎ飼いさん必見!うさぎの爪切りのやり方

爪切りをするウサギ
ウサギ

うさぎは爪切りを適切にしてあげないと、怪我や皮膚病の原因となってしまいます。

しかし、爪切りのたびにうさぎが暴れるので腕が傷だらけになる、うさぎから嫌われるというお悩みをお持ちの飼い主は多いでしょう。

そこで今回は、爪切りの必要性、準備物、具体的なやり方について解説します!

うさぎに爪切りって必要?

うさぎの爪は人間同様、切らなければ伸び続けてしまいます。

野生のうさぎは、土や石の上を走っている過程で自然に削れていきますが、飼われているうさぎの爪は飼い主が切ってあげる必要があります。

うさぎの爪を切らないとどうなる?

うさぎの爪が伸び続けてしまうと、うさぎの生活に様々な支障をきたしてしまいます。

爪がカーペットにひっかかって怪我をする危険がある

うさぎの全身の骨は、体を軽くするために密度が低くなっています。

なんと、人間の骨粗鬆症の人の骨よりもはるかにスカスカで、折れやすいのです。

そのため、カーペットに爪をひっかけて少し骨に負担を与えただけで、骨折や脱臼などの大きな怪我につながりかねません。

ソアホックになる危険がある

爪が伸びすぎると、歩くたびに足の裏に負担がかかります。

そうなると足の裏の毛が薄くなっていき、足の裏の皮膚がタコのようになったりただれたりします。

このように足の裏の皮膚に異常をきたしてしまう症状を、ソアホックと言います。

ソアホックを発症すると、足をひきずるようになり、歩きたがらないようになります。

自分の体をひっかいてしまう危険がある

うさぎは、自分の手や足で毛づくろいをして体中を綺麗にします。

「クシクシ」と呼ばれる、手で顔をこする動作は見ていてかわいいですよね。

このときに爪が長いと、皮膚や目などをひっかいて傷つけてしまう可能性があります。

一度皮膚や目を傷つけてしまうと、菌が入って膿んでしまったり、舐めてしまいなかなか治りません。

うさぎの爪切りに必要なものは?

うさぎ用の爪切り、やすり

まず、爪切りが必要です。

爪切りを選ぶ際は、うさぎ用か小動物用のものを選ぶようにしましょう。

また、爪を切ったあと切りっぱなしだと爪の角で体を傷つけてしまう可能性があります。

うさぎの様子を見ながら、余裕があればやすりもかけてあげてください。

私が働いているペットショップでも使っているおすすめの爪切りは『マルカン ミニマルサロンネイルカッター』と『PT&サヒ 爪切り(ペット用)』です。


ミニマルサロンネイルカッターは「はさみ型」の爪切りで、刃先がカーブしています。

手元が見えやすいので、使いやすいですよ!


PT&サヒ爪切り(ペット用)は「ギロチン型」の爪切りです。

爪が硬い子や暴れやすい子におすすめです。

ペット用のやすりもついています。

タオル、ガーゼなど

タオルとガーゼの用途は2種類あります。

一つ目は、うさぎの目隠しです。

うさぎを保定する時に視界をタオルで暗くすることで、うさぎを落ち着かせることができます。

二つ目は、血が出てしまったときの対処です。

うさぎの爪には血管が通っているため、深爪すると出血してしまいます。

そうなってしまった場合は、清潔なタオルやガーゼで血を拭き取りましょう。

止血剤

止血剤は、深爪をして出血してしまった場合に使うものです。

黄色い粉が入っており、血が出ている爪の先に指で擦り込むものとなっています。

止血剤を擦り込むと一瞬うさぎは痛がりますが、そのあとすぐに血が止まります。

私の勤めているペットショップで使っているものは、文永堂薬品株式会社『クイックストップ』です。

ライト(懐中電灯やスマホライト)

うさぎの爪の中の血管を確認するために使います。

爪をよく見ると、中にピンクの線が入っているのが見えます。

そのピンクの線が血管で、そこまで深爪すると血が出てきます。

爪切りをする際には、ライトで爪を照らし、血管の位置をよく見ながら切ってあげるようにしましょう。

うさぎの爪切りの頻度は?

爪切りの理想的な頻度は、1~2か月に一度だといわれています。

個体差があるので、その子の爪の伸びる早さに合わせて切ってあげてください。

また、爪切りをおとなしくやらせてくれない子は、数日に分けて少しずつ切ってあげるのもよいでしょう。

うさぎの爪切りの方法

うさぎ

①うさぎを保定する

まずはうさぎを保定しますが、多くの飼い主が一番苦労するのが、うさぎの保定です。

爪切りのときは、うさぎを仰向けにするのが一番おすすめです。

飼い主は正座の体制になり、うさぎの頭を膝側、お尻をお腹側にして仰向けにします。

膝で頭を包み込むようにして、保定してください。

このときに、タオルで目を隠してあげると暴れにくくなる子が多いです。

スムーズに保定できるように、普段から抱っこに慣れさせておくのがおすすめです。

また、うさぎが暴れて膝から抜け出したときのために、床に座って行いましょう。

うさぎが暴れて高いところから落ちると、背骨や足の骨を骨折してしまうリスクが高まります。

②爪の血管を確認する

血管を切って出血させてしまわないように、切る前に血管の場所をしっかりと確認しましょう。

元から白い爪の子は見やすいですが、黒い爪の子は血管の位置がわからないことがあります。

その場合は、ライトや太陽光にかざし、血管を透かして確認するようにしましょう。

③爪をカットする

いよいよ爪を切っていきます。

血管から2〜3ミリの余裕を残して切りましょう。

もし血管まで深爪をしてしまった際は、素早く止血します。

清潔なガーゼやタオルを当て、血を拭き取ったあとに止血剤を擦りこんでください。

このときうさぎは足を動かして痛がりますが、血が止まるまでは安静にするようにしましょう。

切ったあとは、切り口が尖らないようにやすりをかけてあげてください。

④うさぎを褒める

終わった後はうさぎをしっかり褒めてあげてください。

おやつを与えるのも良いでしょう。

大事なのは、うさぎに爪切りを嫌なものだと認識させないことです。

終わったらおやつがもらえる、褒めてもらえるというふうに覚えさせてあげてください。

自宅で切るのが難しい場合は、プロに頼もう!

うさぎの爪切りの方法をご紹介しましたが、やはり自分では難しいと感じる方もたくさんいらっしゃると思います。

そういう方は、無理せずプロに爪切りを頼んでしまいましょう。

動物病院や、ペットショップで爪切りをしてくれるところが多いです。

値段の相場としては、500〜1,000円ほどです。

まとめ

爪切りをするウサギ

多くのうさぎ飼いさんの悩みの種である爪切りについてご紹介しました。

爪切りは、うさぎの健康のためには避けられないお世話です。

ぜひ本記事を参考にして、飼い主とうさぎの双方にストレスのない爪切りをマスターしてくださいね。

公開日:2020/11/24  最終更新日:2022/3/10