シニア期のわんちゃんに現れる老化のサイン【行動編】

ミニチュアダックスフンド

わんちゃんの1年は人間の歳に換算すると7~8年です。

飼い始めて数年で、あっという間に私たちの歳を超えていきます。

大型犬は5〜7歳、小型犬は7〜10歳でシニア期に突入です。

毛並みや目が白くなるなど、見た目も変化していきますが、行動にも老化の兆候が見られるようになります。

そこで今回は、シニア期のわんちゃんに現れる老化のサイン「行動編」を解説していきます。

飼い主が老化の兆候に早めに気づき、愛犬が少しでも快適に暮らしていけるようサポートしていきましょう。

食欲の変化

マテする犬

歳を取ってくると、人間と同じくわんちゃんも色が細くなります。

若い頃と違い、寝ていることも多くなるのでエネルギー消費率も低いです。

あまり食べなくても足りてくるようになります。

逆に、食べても食べても食べ足りないというわんちゃんもいます。

17歳で旅立ったうちの子も、よく食べる子でした。

わんちゃんによって、食の変化は様々ですから、いつもと違う兆候が現れたら注意深く観察してください。

老化の兆候として、以下のようなものがあります。

・食が細くなる
・食べ続ける
・食に興味を示さなくなった
・おやつを食べない
・おやつしか食べない
・食べ物の好みが変わる

老犬がご飯を食べなくなる理由に、「おやつ」が影響していることもあります。

食が細くなり、ご飯をなかなか食べない愛犬を心配して、おやつなら食べるからと与えすぎてしまうケースは少なくありません。

これでは、おやつで胃腸が満たされている状態です。

ジャーキーや硬いおやつは、消化に時間とエネルギーが必要で、消化液の分泌も多くなります。

このままでは、吐いてしまう要因につながりますので注意してください。

食欲の変化が老化なのか、体調が悪いのか、わからない場合は獣医師に相談しましょう。

歯の状態が悪くて食べられない場合がある

老化が進むと歯の健康状態が悪くなり、今まで食べていた硬いドライフードが食べられなくなることがあります。

また、口の中に腫瘍ができている可能性もゼロではありません。

飲み込み辛そうにしていたり、噛むのを嫌がる場合は歯や歯茎に異常がないかチェックしてみましょう。

ライフステージに合ったフードに変える

シニア期には、犬のライフステージにあった食事に変えましょう。

シニア期のわんちゃんは運動量が減り、太りやすくなります。

肥満になると心臓や関節に負担がかかり、危険です。

また、加齢とともに基礎代謝も低下し、目には見えない消化器官など内臓機能も衰えてきます。

今までと同じフードでは、カロリーも多く体に負担がかかるでしょう。

年齢にあった栄養バランスの良いフードに変えることで病気や肥満を予防できます。

老犬用のフードは、カロリー控えめで小粒、柔らいなどシニア犬でも食べやすくなっています。

小型犬なら10歳、大型犬は7歳を過ぎた頃から、いつも食べているフードのシニア用を選ぶようにしてください。

無理なダイエットは避ける

シニア犬が太り気味だと思っても、無理なダイエットは控えましょう。

太っていることはもちろん、心臓や内臓に負担をかけますが、無理なダイエットも同じく内臓に負担がかかります。

たんぱく質、炭水化物、脂肪の取りすぎは肥満の原因になりますが、極端に減らさずバランスよく摂取できるシニア用フードに変えて様子をみましょう。

もしくは、動物病院で販売している肥満用フードも有効です。

肥満かどうか
食事は減らすべきか?

といった判断は、必ず獣医師に相談しましょう。

睡眠の変化

柴犬老犬

高齢になるとわんちゃんは寝ていることが多くなります。

老化の兆候として、以下のようなものがあります。

・なかなか起きてこない
・飼い主が帰ってきても反応しない
・おもちゃで遊ばなくなる
・昼間眠り、夜に徘徊する
・夜泣きが始まる

いびき、寝言や寝息が大きくなるなどの変化もあります。

また、今まで一人で寝ていたのに、甘えん坊になり飼い主と同じ部屋で寝たがるようになったというケースも老化のサインです。

昼間に眠り、夜に徘徊する行動は認知症かもしれませんので、動物病院に相談してみましょう。

ちなみに、老犬のわんちゃんは、安心した家でゆっくり眠ることが楽しみのひとつです。

目が見えなかったうちの老犬さんは、窓辺の日の当たる場所でよく眠っていました。

獣医師によると、目は見えないけど明るさは感じていたのではないか?ということでした。

ぽかぽかした日の当たる場所や、涼しくて暗い場所など、わんちゃんの好きな場所でゆっくりと寝かせてあげましょう。

動作の変化

老犬

わんちゃんも人間も老化が進むと足腰が弱ってきます。

老化の兆候として、以下のようなものがあります。

・ジャンプできなくなる
・階段の上り下りができない
・段差につまづく
・動きが鈍くなる
・歩くことを嫌がる

お散歩の時、今までグイグイとリードを引っ張っていた子も、ゆっくりのんびりした足取りになります。

足腰が弱くなると、お散歩がかわいそうに思えるかもしれませんが、適度な運動は筋力を維持し、関節を柔軟に保つために必要なことです。

筋肉は使わないとどんどん細く衰えていきます。

お散歩に行かなくなると、ますます動けなくなりますので、無理のない範囲で外に連れ出しましょう。

足腰が弱くなってきたら、首輪よりしっかりと体を支えられるハーネスへ変更してください。上半身が安定しやすくなります。

病気の可能性もある

お散歩に行きたがらない理由は、単に老化のせいではないかもしれません。

心臓や内臓、関節の病気が影響しているケースも考えられます。

病院に相談することはもちろんですが、無理にお散歩に行かず、ベランダや庭で日光浴だけでも気分転換になりオススメです。

認知症の場合

もしかすると老化と思っている動作が、認知症かもしれません。

以下のような兆候に注意してください。

・昼夜逆転している
・夜鳴き
・食欲が増しているが体重が増えない
・夜中に吠える
・家具や部屋の隅でバックできない
・話しかけても無反応
・トイレの失敗
・旋回運動

わんちゃんの寿命が長くなった現代では、脳梗塞や脳腫瘍など、脳内の血管障害や、栄養不足、ストレスが原因で認知症になるケースも増えてきました。

認知症も軽度ならあまり気になりません。

ただ、夜中に吠え続ける、飼い主が触ると噛むなどの行動は問題となります。

何れにしても、気になる症状があれば病院で相談しましょう。

まとめ

老犬のわんちゃんは、仔犬時代とは違う可愛さがありますよね。

ともに生きてきた相棒、子供、同志のように結びつきも強くなり、あうんの呼吸ができていると思います。

シニア期のわんちゃんの行動に見られる老化のサインは、身体機能の衰えから現れるものが多いです。

人間と同じで老化は止められませんので、できるだけ早めに気づいて対応してあげましょう。

私たち飼い主が日々のコミュニケーションの中で注意深く観察していくことがとても大切です。