ペルシャ猫ってどんな猫?知っておきたいペルシャ猫の基本情報

ペルシャ猫

ペルシャ猫は、世界初のキャットショーにも出演したほど古くから存在している種類です。

ゴージャスで美しい被毛はもちろん、愛らしい潰れた顔、マイペースな性格など非常に多くの魅力を持っています。

今回は、ペルシャ猫の歴史や種類、飼い方のポイントやかかりやすい病気などをご紹介します。

歴史

ペルシャ猫と本

ペルシャ猫の正確なルーツは、実はいまだに解明されていません。

しかし、1800年代のアフガニスタンに生息していた長毛猫を、イギリスで計画的に繁殖して誕生したことはわかっています。

その後、1971年にロンドンで開催された世界初の公式なキャッショーにてペルシャも登場。

当初に認められたカラーはホワイト、次にブラック、レッドと続き、1920年代にはクリーム、チョコレート、ライラックカラーのペルシャ猫が誕生。現在に続く豊かなカラーバリエーションの基礎が築かれました。

現在のイランを表すヨーロッパ側の古名に「ペルシャ」がありますが、ペルシャ猫との繋がりは不明です。

大きさ

ペルシャ猫

ペルシャ猫の体重は、平均は約3.2~6.5kgとされています。

成猫になると、オスは約3.0~5.5kg。メスは約3.0~5.0kg。体長は約60~80cmです。

猫全体の中では、中くらいの大きさといえます。

毛色

ペルシャ猫

ペルシャ猫の毛色は、7つのグループに分かれます。

ソリッド

いわゆる「ワンカラ―」の毛色です。全身が単色で、模様やグラデーションがありません。

代表的な色はホワイト、ブラック、クリーム、レッド、ブルーなどが挙げられます。

シルバー&ゴールデン

一般的に「チンチラ」と呼ばれている毛色で、その中でもチンチラシルバーとチンチラゴールデンが代表的です。

毛の先端にのみ色が入っているのが特徴で、シルバーは黒系、ゴールデンは茶系が入ります。

スモーク&シェ―テッド

煙(スモーク)が揺らめくように、先端に向かって毛色が白っぽくグラデーションが入っている毛色です。

代表的な毛色は、ブラックスモーク、ブルースモーク、レッドスモーク、クリームスモークなど。汚れが目立ちづらい毛色で人気です。

パーティーカラー

2種類の毛色が混ざっている毛色で、トーティーシェルとブルークリームの2種類があります。

トーティーシェルは、ブラックとレッド。

ブルークリームは、ブルーとクリームが混ざっています。

模様の入り方によって全体の個性が色濃く出ます。

タビー

体全体に縦じまの模様が入っている毛色です。アメリカンショートヘアーを想像するとわかりやすいでしょう。

シルバータビー、ブラウンタビー、ブルータビー、レッドタビーなどが一般的です。

キャリコ&バイカラー

パーティーカラーよりもハッキリとカラーが分かれている複合色の毛色です。

バイカラーは2色で、ブラック&ホワイトやレッド&ホワイト、クリーム&ホワイトが代表的です。

キャリコは3色で、ブラックとレッド&ホワイトや、ブルーとクリーム&ホワイト(薄い色の三毛柄)がいます。

ヒマラヤン

ヒマラヤンというと猫の種類と思う方もいるかと思いますが、実はペルシャ猫のカラーバリエーションの1つです。

体全体は広く、耳、口、脚、尻尾に濃い色のポイントが入ります。

ポイントカラーはチョコレート、シール、ライラック、レッドなどがあります。

体の特徴

ペルシャ猫

ペルシャ猫の体の特徴は、何といってもそのゴージャスで美しい被毛です。

手触りはまるでシルクのようにすべすべで、豊かな毛量を誇るダブルコート。

あまりにも毛量が豊富で密度が濃いため、シャワーを当ててもなかなか地肌が濡れてくれないほどです。

鼻は潰れて上を向いていて、愛嬌のあるぺちゃんこ顔。

典型的なコビータイプ(全体的にずんぐりむっくりとしたタイプ)の体格をしていて、体つきは筋肉質で足はやや短め、全体的にがっしりとしていて骨太です。

寿命

ペルシャ猫の寿命は、平均16歳~18歳とされています。

猫全体の平均寿命は15歳なので、ペルシャ猫は猫の中でも比較的長生きをする種類といえます。

また、ペルシャ猫の場合は10歳前後からシニア期・高齢期に差し掛かります。

性格・気質

ペルシャ猫

ペルシャ猫の性格・気質は、非常に穏やかであることが特徴です。

賑やかな場所よりも、静かにのんびりと過ごせる場所をはるかに好みます。

家族への愛情はありますが、馴れ馴れしくされることは好まず、人間とは絶妙な距離感を取る傾向があります。

運動量も少なく大人しい上に、ほとんど鳴くことがありません。そのため、猫と静かに暮らしたい人や、集合住宅に住んでいる人に特に向いている性格です。

猫らしいマイペースさが魅力で、まさに「ツンデレ」な性格をしています。

飼育のポイント

ペルシャ猫

環境

ペルシャ猫が穏やかに暮らすためには、静かな場所が必要です。

テレビや車の音がなるべくしない、日当たりの良い場所があればベストです。

特に小さな子供と一緒に住んでいる人は、ペルシャ猫が1匹で静かな時間を過ごせるスペースを確保しておきましょう。

また、ペルシャの豊かな被毛は塵や埃が付着しやすいので、定期的な部屋の掃除を今まで以上に心がけるべきでしょう。

トイレや爪とぎなどは他の猫種と同じもので構いませんが、ごはん用のボウルはなるべく底が曲線のデザインを選ぶとよいでしょう。平坦な顔でもフードを食べやすくなります。

運動量

ペルシャ猫は元々、運動量が少ない猫です。そのため肥満になりやすい傾向があります。

飼い主が率先してペルシャ猫を遊びに誘い、運動量を確保しましょう。

のんびり屋な性格ですが好奇心は旺盛で、猫じゃらしなどのおもちゃによく反応してくれます。

また、ボール型のおもちゃのような一人遊びができるアイテムを用意しておくと、運動量をサポートできます。

大きなキャットタワーは特に必要ありませんが、上下運動ができる適度なスペース、段差を確保しましょう。

しつけ

ペルシャ猫は穏やかな性格の個体が多いので、飼い主のいうことをよく聞いてくれる傾向があります。

ただし臆病な性格の個体もいるので、大きな声で怒鳴ったり叱ったりは控えましょう。

お手入れ

ペルシャの豊かな被毛を維持するために、1日2回のブラッシングを行いましょう。

先端が丸くなっているピンタイプのブラシを用意し、毛並みに沿ってとかします。その後、目の粗いコームで全体を整え、毛ヅヤを出してあげましょう。

特に耳の裏や手足の付け根、顎の下などは毛玉ができやすいので念入りにとかしてあげてください。

日々のブラッシングは美しさが磨かれるだけではなく、体臭防止や毛玉防止にも役立ちます。

スキンシップ

ペルシャ猫は、ベタベタとしつこく触られることを嫌います。

本人のペースに任せ、近づいてきた時に構ってあげるのが基本です。時々ペルシャ猫自ら追いかけっこを求めてきた時は、ぜひ遊びに付き合ってあげましょう。

ツンデレな性格ですが、決して冷たいわけではありません。ペルシャ猫は、家族の暖かい膝の上で、安心してのんびり眠る時間が大好きなのです。その時は、毛並みにそってゆっくりと撫でてあげてください。

また、顔の形状から目ヤニが出やすく、大人になっても飼い主が適度に拭いてあげる必要があります。子猫の頃から目の周りに触れさせる訓練をし、慣れさせていきましょう。

目ヤニのケアと同様に、ブラッシングも生涯にわたり必要なスキンシップです。ブラッシングは気持ちよくて楽しいことだと覚えてもらうために、おやつを与えたり撫でたりしながら行うとよいでしょう。

毛玉対策

ペルシャ猫はその長い被毛から、飼い主が日常的に毛玉対策をしてあげる必要があります。

毎日のブラッシングはもちろん、普段の食事やおやつもヘアボール対策がされているものを選びましょう。

濡れていると絡まりやすいので、お風呂の後はすぐに乾かします。

もしも毛玉ができてしまったら無理に解さず、毛先から優しく時間をかけて解いてあげましょう。

解くのが難しければ、皮膚を傷つけないように毛玉の根本部分からカットします。

気をつけたい病気

ペルシャ猫

流涙症(りゅうるいしょう)

流涙症は、いわゆる「慢性的な涙目」の症状です。

目尻や目頭から涙が零れ落ちる病気で、飼い主が定期的に濡らした脱脂綿などで拭いてあげる必要があります。

また、落涙による皮膚のかぶれなども現れます。

ペルシャネコは鼻が潰れているので、鼻涙菅が圧迫されて涙が出やすく、涙腺の病気になる可能性が高いのです。

皺壁間擦疹(しゅうへきかんさつしん)

ペルシャネコは、顔が全体的に潰れているので皺が寄りやすいです。

皺壁間擦疹は、皮膚のたるんだ部分に起こる細菌感染症。

皺同士の摩擦が原因で、皮膚が赤くなったり、細菌などに感染しやすくなったりします。

短頭種気道症候群

愛らしく特徴的な低く小さい鼻が原因で、短頭種気道症候群が生じる可能性があります。

短頭種気道症候群とは、生まれつき呼吸がしづらい症状のこと。

鼻の穴が小さい・咽頭がうまく動かないなどが原因となり発症します。

ペルシャ猫を含む平坦な顔面、円形の頭部を持つ種類では起こりやすい病気です。

肥大型心筋症

肥大型心筋症は、心臓の筋肉が厚くなることにより、心臓に血液を送り出せなくなる病気です。

猫が患う心臓病の中では最もポピュラーな病気とされ、食欲不振や咳などの症状を経て突然死の可能性もあります。

まとめ

ペルシャ猫と女性

今回は、ペルシャ猫の種類や性格、飼う時のポイントについてご紹介しました。

追いかけると逃げて、放っておくと寄ってくる。ペルシャ猫は、つかず離れずの絶妙な距離感を体現する、まさに「猫らしい猫」です。

クールな時と甘えん坊の時のギャップに、多くの飼い主さんはメロメロになってしまいます。

日々の被毛のケアは必要ですが、穏やかで静かで愛情深く、初心者の方でも飼いやすい性格をしています。

ぜひペルシャ猫を家族に迎え、一緒に穏やかな日々を過ごしてくださいね。