犬の毛玉のケア&予防方法教えます!毛玉を吐く理由や対処法も

ドライヤーの風を浴びる犬

忙しいとついつい後回しにしてしまいがちな、犬の毛玉ケア。

気づいたときには巨大な毛玉ができてしまい、恐る恐るハサミで切った経験がある人も多いのではないのでしょうか?

今回は、犬に毛玉ができる原因や対処法、毛玉を吐く理由などをご紹介します。

正しい知識を身につけ、愛犬にとってストレスのない環境を整えてあげましょう。

犬の毛玉はなぜできる?

ブラッシングされている犬

ブラッシング不足

基本的に、犬の毛玉は摩擦が起きることで発生します。

毛の絡まり自体は日常的に起こりますが、定期的にブラッシングをすることで毛玉になる前にほぐせます。

しかしブラッシングが不足すると、絡まる毛がどんどん増え毛玉を作ってしまいます。

シャンプー後のブロー不足

人間の髪の毛と同じように、シャンプー後の濡れた犬の毛もとても絡まりやすい状態です。

ドライヤーでしっかり乾かさずにタオルドライ程度で自然乾燥をしていると、毛玉ができやすくなります。

特にドライヤーの大きな音が苦手な犬の場合は、飼い主がブローを諦めることで毛玉の原因を作ってしまうのです。

毛のこすれ

毛玉は摩擦により発生するため、毛がこすれやすい部分にできやすい傾向があります。

特に普段歩いているだけで摩擦が起こる脇の下や、犬が自分で掻きやすい耳の裏に多いでしょう。

また、犬は尻尾で感情表現をする生き物であるため、毛がこすれることによって束状の毛玉ができやすいといえます。

静電気

毛が風になびいている犬

静電気が起きると、毛同士が絡まったり汚れやほこりを引きよせたりします。

普段は同じ方向に生えている毛が、静電気により毛並みが乱れ、毛玉ができてしまうのです。

特に冬は空気が乾燥するため摩擦で帯電しやすく、毛玉ができやすいでしょう。

汚れ

体毛の汚れは毛玉の「元」になり、どんどん毛が絡まってしまいます。

汚れはブラッシングやシャンプーで落ちるため、被毛のケアを後回しにしてしまうと毛玉ができやすくなるでしょう。

毛玉ができやすいタイプ

犬の中には、毛玉ができやすいタイプ・性格・時期があります。

■毛が細い長毛種
ゴールデンレトリバー・ポメラニアンなど
■毛が固く絡まりやすい犬種
トイプードル・シュナウザー・マルチーズなど
■水遊びが好きな犬種
ゴールデンレトリバー・ラブラドールレトリバーなど
■換毛期がある犬種
チワワ・ダックスフンド・ポメラニアン・柴犬など

水遊び後は毎回しっかり毎回しっかり乾かすことが大変なため、そして換毛期には冬毛が大量に抜けて絡まりやすくなるため、毛玉ができやすいといえます。

同じ個体でも時期や環境によって毛玉のできやすさは変わります。定期的にチェックしてあげましょう。

犬に毛玉ができると起こるトラブル

櫛で顔の毛を整えられている犬

皮膚がつれて痛い

毛玉は「毛同士が絡まりあっている状態」であるため、毛の根本部分が引っぱられます。

まだ生えている状態の毛も絡まっているため、皮膚が引っぱられることになり、犬は痛みや不快感を抱きます。

毛玉があるということは、常に皮膚が引きつっている状態なのです。

汚れがたまりやすくなる

毛玉は汚れを引きよせます。

毛玉が皮膚の汚れを隠してしまうと、シャンプーやブラッシングでも取りのぞきづらくなるでしょう。

また、毛玉が残っている状態でシャンプーをしたり体を濡らしたりすると、皮膚と毛玉の間に「すすぎ残し」が発生してしまいます。

不衛生な状態になるだけではなく、細菌が皮脂を栄養にして増殖すると炎症の原因になります。

蒸れやすくなる

毛玉ができると通気性が下がり、皮膚が蒸れやすくなります。

毛玉により汚れを引きよせやすい環境でさらに湿度が上がると、細菌が発生して皮膚病を起こす可能性があるでしょう。

放置するほど取りづらくなる

毛玉は「放っておけば勝手になくなるもの」ではありません。

周りの雪を巻き込み大きくなる雪だるまのように、放置すればするほど周囲の毛が絡み巨大な毛玉になってしまいます。

すぐにブラシでケアをすればほぐせていたはずの毛玉でも、最終的にはバリカンで刈らないと取れない程に固まってしまうケースもあるのです。

犬が毛玉を吐いたら

ブラッシングされている犬

犬が毛玉を吐く理由

毛玉ができると犬は違和感を抱くため、自分の体をペロペロと舐めることがあります。

舐めたときに毛玉を食べてしまうと、毛玉を体内で消化できずに吐いてしまうのです。

毛玉はうんちと一緒に排出されることもありますが、まれに体の中に残ってしまうこともあります。

猫が毛玉を嘔吐で外に出すために猫草を食べるように、犬もわざと草を食べる場合もあります。

毛玉を吐いたときの「色」に注意

毛玉を吐くこと自体は生理的な現象であるため、基本的には心配ありません。

しかし、毛玉を吐いたときに出た液体の色次第では、動物病院を受診する必要があるでしょう。

下記に、嘔吐時の液体の色による体調変化のサインを解説します。

■黄色・白■
胃酸か胆汁。胃酸過多の状態で、空腹の可能性が高い。
■茶色■
ドッグフードの臭いなら基本的に問題なし。サラサラとしていて水っぽい場合や血が混じっている場合は胃腸炎の可能性あり。
■透明■
水か胃液、もしくは唾液。大きな問題はないことが多いため、食事や水の量を調整して様子見。
■赤■
血が混じっている可能性大。肺や気管支の病気が疑われるため、できる限り早く獣医師に相談する必要あり。

基本は自己判断をせず、不安があればすぐに獣医師に診てもらうように心がけましょう。

また、受診の際に毛玉を含めた嘔吐物も持参すると診察がスムーズになります。

犬の毛玉ができたらどうする?

トリマーにブラッシングしてもらう犬

優しくブラッシングしてほぐす

犬の毛玉ができてしまったら、まずは優しくブラッシングをしてほぐしましょう。

皮膚と毛玉の間に指を入れることで、毛玉を引っぱっても痛みを感じさせずに済みます。

目の細かいスリッカーを使い、表面をとかして毛玉をほぐします。一方向のみでなく、多方面にスリッカーを入れてあげるとよりほぐれやすくなるでしょう。

毛玉の場所や大きさがわかりづらい場合は、ドライヤーの冷風を当てて周囲の毛を分け、毛玉を見やすくする方法がおすすめです。

毛玉が少し小さくなってきたら、指先も使ってほぐしましょう。皮膚を引っぱらないようにだけ注意してくださいね。

ある程度毛玉が取れたら、最後に目の粗いコームで毛並みを整えてあげましょう。

皮膚から浮いている部分のみ切る

スリッカーでほぐせないほど大きな毛玉の場合は、ハサミで切る方法もあります。

人間と同じように犬の皮膚も伸びるため、一緒に切ってしまわないように注意を払ってください。

不安であれば、指で毛玉を挟み、上の部分から少しずつ切って小さくしていく方法もおすすめです。

もしも皮膚を切ってしまったら、細菌が入らないように処置をしてすぐに病院を受診してくださいね。

毛玉取りローションを使う


犬用の毛玉取りローションを併用してブラッシングをすることで、ある程度の大きさまでであれば毛玉を小さくできます。

毛玉取りローションは被毛の摩擦を減らしてくれるため、絡まった毛同士が離れやすくなるのです。

また、毛玉取りローションは毛玉予防にも使え、サラサラの被毛を維持するためにも役立ちます。

特に長毛犬を飼育している方は常備しておくとよいでしょう。

トリミングサロンでプロにケアしてもらう

トリミングしてもらう犬

もしも自分で取るのが困難なほどに毛玉が大きくなってしまった、あるいは皮膚にこびり付いてしまった場合は、トリミングサロンを予約してプロのトリマーさんにケアをお願いしましょう。

犬の大きさや毛の長さによっては高額になることもありますが、可能な限り安全に毛玉の処置をしてもらえます。状態によってはバリカンで刈りとる場合もあるでしょう。

毛は時間が経てば自然に生えてきますが、一時的に見た目が大幅に変わる可能性があります。また、犬自身が大きな音に恐怖を覚えることもあるでしょう。毛の状態が変化することで犬が違和感を抱き、ストレスをためる可能性もあります。

トリマーさんにお願いするのは最終手段として考え、日頃からの予防を重視しましょう。

今日から始める!犬の毛玉予防

犬をシャンプーしようとしている女性

毎日のブラッシング

犬の毛玉予防の基本は、毎日のブラッシングです。

長毛種はもちろん、一見毛玉ができなさそうな短毛種でも日々のブラッシングを習慣づけましょう。

長毛種は目の細かいスリッカーの後にコームで毛並みを整えます。短毛種はコームだけでも十分です。

金属部分が当たるのを嫌がる個体の場合は、先端が丸く柔らかいラバーブラシがよいでしょう。

日々のスキンシップによる早期発見

まだ小さい状態の毛玉なら自力でケアがしやすいため、毎日犬と触れあい早期発見を心がけてください。

特に見落としやすい場所は、脇の下・耳の後ろ・お尻の周り・お腹・首の下などです。「擦れる機会が多いのにあまり触らない場所」を中心に、手で触って確かめてあげましょう。

触られ慣れていない場所を触ると嫌がられることもあるため、日頃からスキンシップを取り「どこでも触られて大丈夫な状態」を作っておくことも大切です。

また、スキンシップは毛玉だけではなく傷や腫瘍など他の病気の発見にもつながります。

定期的なシャンプーとブロー

犬のシャンプーの頻度は、月に1回程度が理想です。

定期的なシャンプーと正しいブローが汚れや毛の絡まりをケアしてくれるため、毛玉防止になります。

お風呂が苦手な子は「嫌がる原因」を特定して対応しましょう。

例えばシャワーの大きな音が苦手な場合は、水流を弱め、体に直接当てることで音を最小限にできます。

ドライヤーの音が苦手な場合は、ペット向けの音が小さいドライヤーをチェックしてみてください。

シャンプーができたとしても、しっかりブローができていなければ毛玉ができやすく逆効果です。

時には家族のサポートも借りながら、最後まで残さず乾かしてあげてくださいね。

まとめ

鏡を見ている犬

今回は、犬の毛玉の原因や対処法などをご紹介しました。

犬の毛玉が発生する可能性をゼロにすることは難しいですが、飼い主さんの日頃のケアで十分に予防できます。

毛玉は犬にとって、痛みや違和感を抱かせる不快なものです。

定期的な被毛ケアや室内の掃除を心がけ、人も犬も気持ちがいいと思える環境を目指しましょう。