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猫の「イカ耳」ってどんな耳?猫がイカ耳になるときの気持ちを解説!

怒ってイカ耳になっている猫

猫の耳は音をキャッチするほか、感情を表す役割もあることをご存じでしょうか?

中でも特徴的なのが「イカ耳」と呼ばれる耳の形で、猫は感情の動きによってイカ耳になることがあります。

イカ耳になっているときの気持ちは1つではないため、状況によって見分ける必要があります。

今回は、猫の耳にまつわる豆知識をはじめ、猫がイカ耳になっているときの気持ちや、気持ちを見分けるポイントなど、猫のイカ耳について詳しく解説いたします!

猫の耳にまつわる豆知識

何かを目で追っている猫

音が聞こえる仕組みについて

人間も犬も猫も、空気の振動でできた波は鼓膜に届くと電気信号に変換されます。この信号を脳が受けることで「音」として認識するという仕組みです。

この空気の波は「周波数」と呼ばれ、ヘルツという単位で数値化されます。数値が高いほど高音です。

そして、周波数の聞き取れる範囲を「可聴領域」と言います。

猫は犬よりも音に敏感

犬の可聴領域はおよそ65〜5万ヘルツ、猫の可聴領域はおよそ30〜6.5万ヘルツと言われており、犬よりも猫の方が聞き取れる音の幅が広いです。

猫は最大で約10万ヘルツまで聞き取れるとも言われており、猫は犬よりも高音を聞き取る能力が高いことがわかります。

ちなみに、人間の可聴領域はおよそ20〜2万ヘルツです。

飼い主が静かだと感じているときでも、愛猫には何かの高い音が聞こえているかもしれません。

猫は耳を約180度・片耳ずつ動かせる

愛猫の耳を改めて眺めてみてください。

猫の耳を象徴する三角の「耳介(じかい)」は、音をよく聞くための集音器としての役割があります。

猫の耳の付け根にはたくさんの筋肉があり、約180度自在に動かせます。さらに、片耳ずつ違う方向へ動かすこともできます。

愛猫の耳がクルクルと忙しそうに動いていたり、ピンと緊張して前を向いていたりするときは、音の情報をキャッチしようと集中していることが考えられます。

猫は気分屋な気質があり、名前を呼ばれても知らんぷりすることがありますが、耳だけは飼い主さんの方を向いていることがありますよね。「ちゃんと聞こえているよ」の合図ですので、愛猫の気まぐれにご容赦ください!

猫の耳には感情が表れる

猫の耳は音を収集するための器官であり、尻尾と同様に感情を表すための部位でもあります。

普段の耳の状態と比較して、そのときの感情が強いほど耳の動く角度が大きくなると言われています。

猫は犬よりもポーカーフェイスなため、表情から繊細な感情を読み取りづらいですよね。

愛猫の気持ちを汲み取るには、尻尾や鳴き声などとともに、耳の状態もチェックすることがポイントです。

猫の「イカ耳」ってどんな耳?

虹色のラグに座っている猫

水平〜後ろに倒した状態の耳のこと!

猫の「イカ耳」とは、両耳を水平〜後ろの方向に倒した状態を指します。前から耳の穴が見えない状態で、耳介が反り返って見えることが特徴です。

折れ耳であるスコティッシュフォールドの場合はわかりづらいかもしれませんが、やはり耳の穴が横から後ろの方向に向き、耳の付け根が緊張します。

イカに似ていることが由来

猫が耳を水平〜後ろ方向に倒した状態がイカのヒレ部分に似ていることから、「イカ耳」と呼ばれるようになりました。

犬の耳もイカ耳のような状態になることがありますが、犬の場合は「ヒコーキ耳(飛行機耳)」と呼ばれることが多いようです。

ちなみに、耳が横に倒れているウサギの場合は「プロペラ耳」と呼ばれることがあります。

耳の様子を例えた通称がさまざまあるのは、かわいいですね。

猫がイカ耳になるときの気持ち5つ

メガネをかけ読書をする猫

1. 警戒

猫は警戒しているときにイカ耳になることがあります。

危険を感じる物音を聞いたときに、音の情報をしっかりキャッチしようと集中するため、緊張感により耳の根元の筋肉にグッと力が入るためと考えられます。

2. 集中

危険を感じたときだけでなく、何かに集中しているときもイカ耳になることがあります。

片方ずつクルクルと動いている場合は、興味深い音に集中しているのかもしれません。

興味深い匂いを嗅いでいるときや、おやつを夢中で食べているとき、窓の外の鳥を観察しているときなどのシチュエーションでイカ耳が見られやすいです。

3. 不満・拒否

猫はイライラしたときにもイカ耳になることがあります。

なでられすぎて不快になったとき、同居猫ちゃんと対峙したとき、苦手な爪切りやブラッシングをされるときに見られることもあり、不満や拒否の気持ちでイカ耳になっていると考えられます。

4. 恐怖・不安

猫は恐怖や不安を感じると、耳の穴が見えないほどに耳介をペタンと閉じることがあります。

可能な限り身体を小さくすることで防御の姿勢になるほか、身体を小さく見せることで相手を刺激しにくくするためです。

恐怖で耳を伏せた状態がイカ耳に見えることもありますが、イカ耳と強い恐怖を感じたときの耳は少し異なります。イカ耳よりもさらに耳を伏せ、耳の存在感をなくした状態になることが多いです。

5. 気持ちがいい・リラックス

意外にも、猫はなでられて気持ちいいときやリラックスしているときもイカ耳になることがあります。

飼い主さんが頭をなでる際に、まるで手を受け入れるかのようにイカ耳になって頭の領域を広げることもあります。「あ〜そこそこ〜!気持ちがいいな〜!」というように、イカ耳になりながら目をつむっていることもありますね。

イカ耳の愛猫の気持ちを見分けるには?

植木鉢の奥から警戒している猫

この4つも観察してみよう!

猫がイカ耳になっているときの気持ちは1つではなく、「警戒」や「リラックス」のような真逆の気持ちもあります。

愛猫がなぜイカ耳になっているのかを探るためには、耳のほかに以下の4つのポイントを観察してみましょう。

・尻尾の様子
・声の様子(唸る / シャー! / ゴロゴロ喉が鳴るなど)
・身体の緊張感
・そのときの状況

これらの状態から総合的に「怒っている」のか「嬉しい」のかを見極めましょう。

猫の感情は単純ではなく、「怖いけれど気になる」というような葛藤がある場合もあります。

イカ耳になったときだけではなく、猫の気持ちを読み解くには「そのときの状況」を考えてみることが大きなポイントです。

リラックスしているとき以外はそっとしておこう

リラックスのイカ耳ではない場合、愛猫への過度な干渉は控えておいた方がベターです。

何かに集中しているにしろ、不満でイライラしているにしろ、イカ耳発動中の猫はやや興奮していることが考えられます。

人間同士の場合は言葉で伝えることが大切ですが、猫の場合は言葉をかけるよりもそっとしておいた方がよい場合が多いでしょう。

まとめ

集中して食事をする猫

私は「イカ耳は怒っているから」と思っていましたが、愛猫が大好きなおやつを食べているときにもイカ耳になることに疑問を感じていました。

イカ耳は不満なときだけでなく、何かに集中しているときや警戒しているとき、はたまたリラックスしているときにも見せることがあると知り、合点がいきました。

お耳の立派な子は、シャキーンとイカ耳になっていると思わず見惚れてしまいますよね。

愛猫がなぜイカ耳になっているのかを推測するためには、尻尾や声などの身体の様子やそのときの状況を総合的に考えてあげるとよいでしょう。