水槽のお掃除屋さん?アクアリウムの人気者、コリドラスの種類と飼育の基本

コリドラスは水槽の底を泳ぐ魚です。
起きているあいだは水底にある餌を探していることが多く、それによって水槽の底面が清潔に保たれます。
そのため、水槽のお掃除屋さんとして重宝されています。
しかし、コリドラス自体が丸っこい体で愛嬌があり、またとても種類数が多く集める楽しさもあるので、コリドラスをメインに飼育する愛好家もたくさんいます。
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コリドラスのプロフィール
地球の反対側、南米が原産地です。
一部の人気のある種類は東南アジアでも養殖されていて、体色の白い改良品種もあります。
おむすびのような体型に、大きく硬い鱗板が並ぶのが特徴です。
口は下向きについていてヒゲがあります。
大きな分類でいうとナマズの仲間に含まれます。
ナマズの仲間ですが、基本的には昼間に活動します。
種類数がとても多く、学術的に記載さているものでも百数十、その他を合わせると300種以上はいるのではないかとされています。
毎年のようにニューフェイスが発見され、アクアリウムシーンに登場します。
大まかなグループ分け
たくさんの種類がありますが、体つき(顔つき)によって3つのグループに分けられます。
ショートノーズ
吻(ふん/口のあたり)が短いコリドラスです。
全体的に丸っこく、コリドラスらしいコリドラスといえるグループです。
■コリドラス・アエネウス
■コリドラス・パレアトゥス
ロングノーズ
吻が長いコリドラスです。
どこか勇ましい雰囲気ですが、その外見の通り気の荒い種類が多いです。
ショートノーズと比べれば種類数は少ないです。
■コリドラス・ナルキッスス
セミロングノーズ
ショートノーズとロングノーズの中間的な顔つきをしています。
性格もその中間的なものが多いです。
■コリドラス・セミロングノーズスーパーアーク
以上の他に、模様の入り方などでも分けることができますが、およそこの3つを覚えておけばよいでしょう。
基本的な飼い方
コリドラスの飼い方は上記の体型によっても異なる面があります。
水槽
ショートノーズ系のコリドラスであれば、60cm水槽(60×30×36cm)で20匹程度、ロングノーズでは10匹程度飼うことができます。
水量が多いほど水が汚れにくく、水質の変化も緩やかになるため飼いやすくなります。
水質・水温
水質は一部の種類を除けば中性で問題ありません。カルキを抜いた水道水でそのまま飼うことができます。
水温は25〜26℃を基本にします。気温の低い時期には水槽用ヒーターで保温します。
熱帯魚ではありますが、高水温に弱い面があります。
特に夏場は30℃を超えないように冷却ファンなどを用いて水温を管理しましょう。
フィルター
どんなフィルターでも構いませんが、水量に対して余裕のある機種を選ぶとメンテナンスが楽になります。
底砂やレイアウト
細かい砂を敷いてあげると喜んで吻を突っ込みます。
粒の大きいものでも構いませんが、底砂にいつも接している魚なので、角がないものを選んであげてください。
いつも水底にいる魚なので、なるべく水底が多くなるように、余計なものを置かずシンプルなレイアウトとします。
それでも隠れ家があると落ち着くので、適宜、流木などを入れておくとよいでしょう。
餌
市販のコリドラスフードを与えます。
コリドラスフードはボタン状で水底に沈みます。コリドラスはそれを時間をかけて少しずつ食べていきます。
餌食いが悪い個体の場合、冷凍アカムシなど、より生きた状態に近い餌を与えます。
イトミミズはコリドラスの大好物です。
コリドラス同士の混泳
コリドラス同士の場合、ショートノーズはショートノーズ、ロングノーズはロングノーズ同士のほうがうまくいきやすいです。
ロングノーズは気が荒い面があるので、争う様子が見られたら別の水槽に隔離します。
コリドラスと他の魚の混泳
気の荒い魚と飼っているとヒレをかじられたりします。
特に繁殖期にあるシクリッドはコリドラスを追い回すことがあります。
また、基本的には水底で餌を食べるので、餌をよく食べる俊敏な魚がいるとコリドラスに餌が回ってこなくなることもあります。
そのとき、たとえばフレークフードを基本としているのなら、その他にコリドラス専用フードを与えたりして、コリドラスにも餌が行き渡るように配慮します。
水換え
週に1回、1/3などと決めて、定期的に水換えをしましょう。
水量に対して個体数が多い場合は、より短いスパンで換水をします。
ショートノーズよりもロングノーズの方が水質悪化に敏感なので早めの換水を心がけます。
飼うとわかる良さ
コリドラスの体色はベージュや暗色が基本ですし、いつも水底にいる魚でどことなく地味な印象もあります。
しかし、アクアリウムの世界では長いあいだ愛好され続けている魚です。
その魅力はどこにあるかといえば、愛嬌や振る舞いにあるのだと思います。
アクアリウムショップでコリドラスを見かけたら、少しのあいだその水槽を眺めてみてください。
そして、なんとなくでも感じるものがあったら、自分の水槽に迎え入れてあげてください。
きっと家の水槽を眺める時間が、より長くなることと思います。
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アクアリストにとってとても身近な存在だけれど、種類が多いコリドラス。
地味とはいえアクアリストを魅了するコリドラス。
コリドラスとはいったい何者なのでしょう?
コリドラスカタログや愛好家訪問などコリドラスの魅力に迫る記事や、コリドラスの飼い方の基本がわかる号になっています。
記事提供:月刊アクアライフ