【日本ペット歯みがき普及協会】ペットのための歯みがきコラム④歯みがきガムの選び方・与え方や歯みがき時に気を付けるポイント

歯みがきガムを噛む犬
日本ペット歯みがき普及協会

「歯ミガキマン」として日本中をかけまわり、これまで9都道府県40回以上、累計頭数1,000頭以上のペットたちの歯みがきを指導する歯みがき教室を開催し、毎回歯みがき教室は満席・リピーターが絶えない『赤津先生』やかまくらげんき動物病院で院長もつとめる『石野先生』、動物の行動と心理を専門とするヒューマン・ドッグトレーナー『須﨑先生』にペットの歯みがき初心者でもできる大事なことをシリーズで教えてもらいます。

第4回目の今回は、『赤津先生』が担当してくれます。

歯みがきガムの選び方

ペットショップやペットのスナック売り場に行くと、たくさんの歯みがきガムがあります。

どの歯みがきガムを愛犬に与えればよいのだろう……?と悩んだ経験をお持ちの方は多くいらっしゃると思います。

今回は、そんなお悩みを解決するお手伝いができればと思います。

歯みがきガムはあくまでも「補助的」なもの

歯みがきガムの選び方をご紹介する前に、お伝えしておきたいことがあります。

「歯みがきガムを噛むことで歯垢が取れる!」というようなことが商品パッケージや商品説明に書いてあるので、歯みがきガムを愛犬に与えていれば問題ないと思う方がいらっしゃいますが、それは間違いです。

もし歯みがきガムを噛むことで歯みがきの効果を得られるのであれば、私達人間も歯みがきガムで歯みがきしていると思います。

歯みがきガムは、細かく隅々まで歯垢を落とすわけではありません。

あくまでも補助的なものですので、そこだけは勘違いをなさらないようにしてください。

美味しすぎる歯みがきガムはNG

今まで全国で開催してきた歯みがき教室で、参加する皆さんから「歯みがきガムを愛犬が丸呑みしてしまうのですがよいのでしょうか?」という質問をよくいただきます。

答えとしては、ゆっくり噛めば噛むほど歯垢を落とし、だ液の分泌を促進しますので、丸呑みをしてしまっては意味がありません。

歯みがきガムは、おいしい香りや味がついているものが多いので、ついワンちゃんは丸呑みしてしまうんですね。ですので、無香料の商品を選ぶとよいと思います。

また、毎日食べるものなので、着色料も無くてよいと思います。

着色は、あくまで歯みがきガムを買う飼い主様へのイメージですので、無着色で自然な色の方が毎日あげるものとしてはよいかと思います。

私自身が歯みがきガムを選ぶ基準としては、自分が犬だったらどの歯みがきガムを与えて欲しいか?と考えて選んでいます。

毎日食べるというのは主食と同じです。ですから、主食を選ぶ時と同じように選んで欲しいなと思います。

そうなると「漂白剤も要らないですよね」と普段開催している歯みがき教室の参加者様にお話することもあります。

歯みがきガムが白色でなくてはいけない理由はありません(※すべての歯みがきガムに漂白剤が使用されているわけではありません)。

歯みがきガムが美味しすぎて主食であるドッグフードを食べなくなってしまわないように注意もしなくてはいけません。

フードを上回らない味であれば、ゆっくり食べてくれると思いますので、参考にしてみてください。

硬すぎる歯みがきガムもNG

また、硬さですが、ワンちゃんだからとむやみに硬いものを購入される方もいますが、それもご注意いただきたいです。

ワンちゃん=硬いものというイメージがありますが、歯が折れたりかけたりしてしまうということが起きてしまっているのが現状です。

代表的なのが、ひづめや鹿の角、硬いチーズなどを愛犬に与えたことにより、歯が折れたり欠けたりしてしまったという声を聞きます。

どうしてもあげたいということであれば、あげている時には必ず傍にいてあげて、短時間で終わらせてください。

何か夢中になれるものを探して、こういったものに行きつく方も多いですが、愛犬の歯がかけたりしないように注意をしてあげてください。

当協会でも、イベントでワンちゃんのお口の中の写真を撮って見るというイベントを開催したことがありますが、3割くらいのワンちゃんの歯が飼い主様の知らぬ間に折れたり欠けたりしていました。

飼い主様に悪気があったわけではありませんが、よかれと思ったことがかえって傷つける結果となってしまったことに大変ショックを受けていましたので、お気をつけください。

では、どのくらいの硬さがいいのか?ということですが、リスクを減らすには飼い主様自身がこのくらいの硬さなら自分でも噛めそうだな!と思える程度をおすすめしております。

弾力があったり、ガムが少ししなったりする程度のものがよいのではないかと思います。

そういったものであれば長い時間ワンちゃんが噛み続けられますので、ぜひ探してみてください。

これは噛めないでしょ!?と思うものは、正直あまりおすすめはしておりません。

柔らかいフードやおやつをさけて、弾力性のある歯みがきガムを食べていれば、歯垢がつきにくい環境を作れます。

歯みがきガムの与え方

飼い主がガムを手で持って、愛犬に噛ませる

次に与え方ですが、ワンちゃんが勢いよく歯みがきガムを取ってしまうからという理由で、歯みがきガムから手を放してしまう方もいらっしゃいますが、非常にもったいないです。

おすすめは、歯みがきガムを手で持って汚れている歯を狙って噛ませてあげることです。

それにより、歯みがきでは取り切れなかった汚れも取れるかもしれません。つまりは、人間でいう歯間ブラシやフロスの役割を歯みがきガムで果たせればと思っています。

ワンちゃん自身が歯みがきガムを食べていると、片方の歯でばかり噛んでしまって、片方の歯は綺麗だけど片方の歯は汚いといった風になっていることも見受けられます。

ぜひ歯みがきガムを手で持って、汚れている歯を狙って満遍なく噛ませてあげてください。

歯みがきガムを与えるタイミングは「寝る前」

また、歯みがきガムをどのタイミングであげればよいかというと、お口の環境によっても違うかと思いますが、基本は寝る前をおすすめしています。

寝る前に与えることで、1日の汚れを取り切ることができるのと、寝る前にたくさん噛むことでだ液をたくさん出して自浄作用を促すこともできるからです。

人もワンちゃんも、寝ている間はだ液の分泌が減って、歯周病菌など含めて悪い菌が活動しやすくなってしまうのです。

歯みがきガムを与える時間、理想は3分~5分

どのくらいの時間、はみがきガムを噛ませればよいのかというと、できれば最低でも1~2分くらい噛んでくれるものがよいと思います。

理想は3分~5分です。

寝る前のワンちゃんとの貴重なコミュニケーションの機会ですので、抱っこなどして与えてあげてください。

歯みがきガムを手であげている時に、片方の手で片方のワンちゃんの歯を触るなどすると、手が好きになってきます。

おいしい歯みがきガムももらえるし、手は悪いものではないんだよ!としつけができるようになります。

歯磨き時の保定の仕方

ここまで来たらあとは歯みがきですね。特に注意して欲しいことは2つです。

① ワンちゃんと面と向かって口元に歯ブラシを近づけたりしないこと。
② 飼い主が、怖い・不安そうな顔で歯を磨かないこと。

逆の立場になって考えてみましょう。

もし私たちの歯医者さんが、怖い・不安そうな顔で治療していたら心配になってしまいますよね。

ですから、その逆をやってあげましょう。

まず愛犬の正面から歯ブラシなどを近づけないことです。

最初は慣れるまで横から歯を磨いて短時間で歯みがきをしてあげましょう。

歯みがきしてくれるからと、長時間ゴシゴシ磨いてしまうと、ワンちゃんはうんざりしてしまいます。

そして、磨くときは笑顔です。

笑顔でいてくれるだけで安心したことって私たちの経験でないでしょうか?

ワンちゃんは喋れないないため、私達の表情や仕草を見て判断しています。

笑顔でやさしくして歯みがきを楽しい時間にしてあげましょう。

歯みがきをさせてくれたら、ご褒美をあげるとよいですね!

歯みがきした後にごほうび?!と思う方もいるかもしれませんが、はみがきが習慣化されれば無理にごほうびを与える必要はありません。

歯磨きの仕方

歯ブラシの注意点としては、ご自身の手の甲で歯ブラシを擦ってみて、痛くない強さで磨くことが大事です。

歯みがきが痛いから嫌がることもありますので、ぜひ試してみてください。

歯ブラシを嫌がる子には、味付きの歯みがきペーストをつけてあげるのもよいですよ。

汚れがすごい子には研磨剤入りの歯みがきペーストをつけて磨いたほうが、より歯垢を落としやすくなります。

歯がまだ綺麗な子犬などに関しては、お水で濡らして歯ブラシで磨くだけでも構いません。

最後に、歯みがきのワンポイントとして、歯ブラシを使ってもワンちゃんは人間のようにお口をゆすげません。

お皿に入ったお水を必ず用意してあげておいてくださいね。

まとめ

歯みがきガムは、歯みがきでは取り切れなかった汚れを取るための歯みがきの補助的なものです。

自分だったらどんなものが嬉しいか考えて、ゆっくり噛むことができる歯みがきガムを夜寝る前にコミュニケーションの一環としても与えてあげてください。

そして、笑顔で優しく歯みがきをしてあげましょう。

今回紹介したことをぜひお試しください。

毎日歯の健康を保ち、健康寿命の延伸を図っていきましょう!

次号では、歯みがきをおこなった際の磨き残しを減らすためにできることなどをご紹介しいければと思います。お楽しみに待っていてください。

また次回お会いしましょう!

赤津先生赤津 徳彦(あかつ とくひこ)
(一社)日本ペット歯みがき普及協会代表理事
全国各地で「歯ミガキマン」として活動

(一社)日本ペット歯みがき普及協会

設立:令和3年11月8日
事業内容:ペットの口腔ケアに関する知識・技術の普及、施術士の育成及び講習会の開催、施術士の技術基準の策定、公表及び資格認定、動物愛護精神の更なる啓蒙※一部抜粋
HP:https://jpd-a.or.jp/

記事提供:一般社団法人 日本ペット歯