学校に通っても解決しないこともある…愛犬の訓練学校奮闘記

トレーニング・しつけ

我が家の愛犬・ラブラドールレトリーバーの雄5歳は、今までに2か所の訓練学校に通いました。

最初は災害救助犬の訓練士をやっていたご夫婦の運営する学校、引っ越してそこに通えなくなってからは警察犬訓練学校とそれぞれ10か月前後お世話になったのですが、どちらの学校でも「この犬の躾は一生をかけて行う必要がありますし、それても望むような成果は得られないかもしれません。」と言われて卒業となりました。

どちらの学校も競技会で入賞するような優秀な犬をたくさん輩出しており、お世話になった訓練士さん達は犬の躾のプロばかりでしたが、それでも我が家の愛犬は躾が難しい部類だと言われてしまったのです。

結局、我が家の愛犬は飼いやすい犬に変身してはくれなかったのですが、それでも訓練学校に通って本当に良かったと思っています。

今回は我が家のお調子者の愛犬の訓練学校奮闘記についてお伝えしてきたいと思います。

この犬は学校に行かせるべき!散歩仲間さんから通学を勧められまくる愛犬

私は現在の愛犬を迎えるまでに4匹の犬と一緒に暮らしてきました。そして中には今の愛犬と同じ30kg超の大型犬もおり、それなりに躾の知識はあると自負していました。

しかしそれは思い込みであったことを痛感させてくれたのが、現在の愛犬ラブラドールレトリーバー。

犬を紹介する雑誌や図鑑などで必ずと言って良いほど「初心者でも飼いやすい」「躾のしやすい理想的な家庭犬」として掲載されているラブラドールレトリーバー。

今も目の前でヘラヘラ笑っている現在の愛犬です。

初心者でも飼いやすい???
躾のしやすい理想的な家庭犬???

我が家の愛犬は私にハテナをいっぱいつけさせてくれました。

現在の我が家の愛犬は、「遺伝的な疾患を持っていない健康な子を家族にしたい」という願いから、優秀な血統の子が多いラブラドール専門の犬舎から迎えました。そのため小さい頃から筋肉質な体格で元気に成長してくれたのですが、とにかくやんちゃで興奮しやすく、

・風に吹かれるレジ袋を見て全力で車道に走り出す
・目に入ったものは何でも口に入れて食べる
・すれ違う人全員に抱き着こうとする

など散歩中全く気が休まることが無く、このまま30kgを超える巨体に成長したら保健所に通報されてしまうのではないかと震えたものです。

後に訓練士さんから聞いた話なのですが、血統をしっかり維持している優れたブリーダーさんから迎えた犬は、その犬種の良い面も悪い面も強く持っているので、扱いにくい子が多いそうです。なんでも良い面ばかり、という訳にはいかないんですね。

さて、我が家の愛犬は散歩デビューをした頃からそんな調子だったために近所に住んでいた犬の飼い主さん達、特に大型犬の飼い主さん達から口々にプロの手で訓練をしてもらうよう勧められました。

散歩仲間さん達も、自分の躾の体験や知識を活かして躾に協力してくれたのですが、我が家の愛犬は遊びたがって言うことを全く聞かず、筋肉質で力が強いためこのままでは危険だと心配されたのです。

そして大型犬の訓練に慣れている訓練士さんを探したところ、運よく近隣で元・災害救助犬の訓練士さんが運営している学校を発見。まずは愛犬の様子を見てもらうことになりました。

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愛犬の初登校、よく頑張ったね

入学前、我が家の愛犬と対面した後、訓練士さんに宣言されました。

この子は飼い主さんに対する依存心が強すぎる。家族が近くにいると甘えが出て誰の言うことも聞かない。最初はうちで預かります。

訓練士さんの言う通り、しばらく学校に預けることにしました。そして迎えた訓練1日目。迎えに来た訓練士さんに尻尾を振って飛びついた愛犬ですが、自分と私の間で家のドアが閉まったのを見て大パニックを起こし、暫く家の前で大騒ぎをした後、引きずられるようにして学校のバスに乗せられていきました。

散歩に行っても私達がいないかのように傍若無人に振る舞い、家でも全く言うことを聞かず、調子者で動くものなら何でも大好きなのだから、訓練士さんにもヘラヘラしながらついていくに違いない、と思っていた私には少し衝撃的な光景でした。

そして、その日の夕方は猛ダッシュで家に帰ってきた愛犬をなだめながら、訓練士さんから訓練中の動画を見せてもらいました。驚いたことに、そこにはジャーマンシェパードや他のレトリーバー、ロットワイラーといった大型犬達と一列に並んで訓練を受けている凛々しい愛犬の姿がありました。

できるのにやらない子

訓練士さんが言うには行きの車中で家が恋しすぎて嘔吐。午前中は元気がなかったものの、自由時間に他の犬と遊ばせてみたら元気を取り戻して午後は訓練にも積極的に参加し、初日からきちんと踵にピッタリとくっついて歩いて、後ろ向きに歩くというコマンドも覚えたとのことでした。

更に驚いたことにお座りだけだはなく、待て、持って来いといった基本的なコマンドは既に覚えていたと言うのです。

我が家の愛犬は、

・高い訓練性を持っていて躾が入るのが早い
・ただ、覚えたコマンドをやる気がない
・おやつでも釣られないため躾の本に書いてあるような一般的な訓練方法では効果がない

のだそう…。
では何故学校では完璧な犬だったのかというと、

・甘えられる存在がいなかった
・自分より大きい上位の犬達と一緒に訓練を受けた

これらのことが刺激になったのではないかというのが訓練士さんの見解でした。

それを聞いて一瞬「やればできるんじゃん!よかった!」と思ったのですが、よく考えると学校では優等生でも飼い主である主人や私の言うことは聞いてくれないということですよね。

飼い主を下に見ているから躾が入らないというのはよく耳にしますが、言われたことは覚えるけれど堅苦しいことをやる間柄ではないから指示に従う必要が無いと思っている犬というのは、どうしたら良いのでしょう?

新しい悩みができてしまいました。

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いよいよ愛犬と一緒に訓練開始!

犬のみでの登校が数ヶ月続いたある日、次回以降は主人か私のどちらかが訓練に参加するようにしないか?という提案を訓練士さんからされました。

その頃には他の犬と力いっぱい遊べる学校が大好きになっていた我が家の愛犬。

学校では優等生として評価をされていましたが、家では変わりなく問題行動のオンパレードで散歩の酷さも変わらず、自然の多い環境から交通量の多い住宅地へ引っ越す予定のあった我が家では、特に車や自転車に突っ込んでいく奇行に悩まされていました。

当時は訓練士さんに言われたとおりに臆病な性格を利用して、問題行動を起こしたらコインの入った缶を投げて驚かせて冷静にさせる、といった方法も取り続けたのですが、音に驚くと私達に飛び掛かってくるようになってしまい躾には完全に行き詰っていました。

そして迎えた合同訓練の1日目、衝撃だったのが訓練士さんの言うことを尻尾を振って嬉しそうに聞いている愛犬の姿です。

真面目に訓練を受けているというのは動画や写真で見せてもらっていたのですが、こんなに楽しそうにしていたのかと驚き、家では訓練中に嬉しそうにしていたことなどなかったのにとショックを受けました。

訓練士さんとの雑談で見えてきた、愛犬への対処方法

犬達が自由時間で遊んでいる間に訓練士さんにそのことを話してみたのですが

「実は訓練以上に難しいのが犬と遊ぶことだと思うんですよ。」

と意外な返答をもらったのを覚えています。

例えば飼い主と楽しそうにボール遊びをしているように見えても、ほとんどの犬は人間と遊ぶのが好きなのではなく、ボールというおもちゃで遊ぶのが好きなだけ。どんなに感情が高ぶっている状態でも飼い主のコマンドを聞くためには、遊びを通して飼い主を優先的に認識する癖をつけることが有効だけれど、これが難しいのだと言うのです。

言われてみれば我が家の愛犬は私達と遊んでいる時、楽しそうではあるものの飼い主を見ていません。それどころかおもちゃに夢中になって、私がいることを忘れているように見えることも多々あります。

興奮しやすく周囲が見えなくなりがちで、できるはずのことをやってくれない我が家の愛犬。

もしかして遊びをうまく取り入れることこそが、躾で一番欠けていたことなのではないか?そう考えた我が家では、躾のテクニックよりも愛犬と遊ぶ時間や遊びの質に気を配るようにしました。

蜜月の終わりと問題行動……躾は続くよどこまでも

落ち着いたと思った矢先の、問題行動再び

遊ぶ時間を充実させてあの手この手で愛犬を楽しませつつ、興奮状態でも私達とアイコンタクトができるようになってきた頃、引っ越しによりお世話になった訓練学校を卒業することになりました。

訓練士さんからは「恐らく今後もこの子には苦労させられるでしょうし、もしかしたら一生落ち着かないかもしれません。でも面白くて良い子ですよ。」という言葉を頂いたのですが、その頃には散歩もだいぶ上達してきて普段から踵について歩く、いわゆる脚側歩行もできるようになっていました。

家では壁を噛んだり体当たりでドアを壊したりと相変わらず問題行動が目立ちましたが、主人も私も「他の人を怪我させたり迷惑を掛けるようなことがなければ上出来。最悪、自分達の物は壊されてもいいよね。」とボロボロにされていく新居で大きな山を越えた満足感に浸っていたものです。

しかし娘が誕生して遊ぶ時間が取れなくなると、愛犬の様子は一変しました。散歩中に通りかかった人に無差別に吠え、特に乳幼児を連れたお母さんに飛びつこうとするようになったのです。

遊んであげたくてもなかなか時間が取れない中、愛犬の問題行動は酷くなる一方。更に環境の変化によるストレスから慢性的に嘔吐するようになってしまい、掛かりつけの動物病院の勧めで藁にもすがる思いで警察犬訓練学校に通わせることなりました。

一生を覚悟してください

我が家の愛犬の様子を見た訓練士さんの第一声は

「この子をどうしたいんでしょうか?」

というものでした。

「どんな状況でも人間の言うことを聞く犬に訓練することは簡単ですが、それをしたらこの子は元の性格ではなくなりますし、そういう躾をお望みならうちの方針とは反するのでお預かりできません。」

とキッパリと言われました。
そこで我が家としては

・ストレスさえ取り除ければ問題行動は収まると考えている
・そのためには運動と他の犬と遊ぶ時間が一番有効だと思っており、問題児なところも愛しい
・性格が変わるような躾は望んでいない

これらのことを伝えました。

こうしてまた我が家の愛犬は学校通いを始め、学校では優等生、家では狂犬三昧の時期を経て、主に主人と一緒に警察犬訓練学校に通いながら問題行動を落ち着かせていったのです。

しかし訓練士さんからは

「また生活に変化があれば問題行動を起こす可能性がある犬だけれど、こればかりは性格だからどうしようもない。いわゆる飼いやすい犬には一生なれないかもしれない。そこは飼い主さんが諦めて付き合ってあげてください。」

と言われてしまいました。
そして、

「ラブラドールは可愛がって育てれば育てる程、飼い主に対する甘えが出て躾が大変になる傾向があるので、悩みが尽きないでしょうけどこれからも頑張ってください。」

という言葉を頂いて、一旦は警察犬訓練学校も卒業することになりました。

まとめ

結局2箇所も訓練学校に通ったのにもかかわらず、散歩中に人に飛びつかないという家庭犬ならできて当然のことさえあやふやな状況のまま、これ以上訓練士が教えることはないと言われて学校を卒業してしまった我が家の愛犬。

どちらの学校でも優れた実績と指導力を持つ訓練士さんから、性格の問題だから一生をかけて飼い主が付き合うようにと全く同じことを言われてしまった以上、頑張るしかないと覚悟できました。

以前の私は躾というのは自転車の乗り方のようなもので、犬は一度できるようになったことが後にできなくなることはないと思っていました。

しかし賢いだけではなく人間に近い感情も持っている動物なので、同じ訓練をしても皆が同じ成果をあげるわけでもなく、人間の子供同様に皆にとって効果的な躾方法があるわけでもないのでしょう。

犬って、本当に奥が深い動物です。だからこんなに惹かれるのかもしれませんね。

まつかね類

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2013年生まれの雄のラブラドールレトリーバー、2014年生まれの雌の猫、2015年生まれの人間の娘と、種族の違う年子の子育て中の主婦ライターです。 普段は...

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