地域猫のための飲み水ボランティアとは?

水を飲む猫

みなさんのお住まいのエリアに「地域猫」はいますか?

現在の保護猫活動では飼い主のいない猫の里親探しだけでなく、避妊去勢手術を施した後で元の場所に戻し「一代限りの地域猫」として地域の住民でお世話をしていくという選択がされることもあります。

地域猫たちのためにできることは「ごはんを与えること」だけではありません。

今回は生きていくために必要な「飲み水」のボランティアについてまとめました。

まずは知っておきたい「地域猫のTNR活動」

さくら猫

現在、多くのボランティアさんたちが飼い主のいない猫の保護や、里親探しの活動をしています。

でも猫の性格によっては、保護をして住む環境が変わることによって多大なストレスを受けてしまうこともあります。

そのため保護をして里親を探すだけでなく「TNR」という方法が取られることがあります。

「TNR」とは?

「TNR」とは「トラップ(捕獲)・ニューター(不妊手術)・リターン(戻す)」の頭文字を取ったもので、飼い主がいない猫をいったん捕獲し避妊去勢手術を施した後で元居た場所に戻すという方法のことです。

・不妊手術を施し繁殖の連鎖を止めること
・その地域に地域猫を見守る人がいること
・外猫と近隣住民がお互いに快適であること

このような条件を考慮した上で「TNR」という選択を考えます。

飲み水ボランティアの必要性

水を飲む猫

地域の環境の変化

ひと昔前の環境であれば、外猫は飲み水を確保することが簡単でした。

地域に湧き水や小川があったり、お庭に水瓶や池がある家も多くありました。

衛生的ではないものの、いざとなれば側溝の水などもありました。

でも今では道路が整備され、都会であるほど人間と自然との距離が生まれました。

安全のために側溝に蓋がされ、小川も湧き水も少なくなってしまいました。

そのため現代では、外で生きる猫たちにとって飲み水を確保することが難しいのです。

猫の水分補給はとても重要

猫はもともと飲水量が少ないので、尿結石や膀胱炎などのトラブルが起きやすい動物です。

尿が濃くなりやすい猫は腎臓にかかる負担も大きく、高齢になると腎臓病になる猫が多くいます。

動物病院で先生に「たくさんお水を飲ませてください」と言われたことのある飼い主さんも多いのではないでしょうか。

外猫とは言え、命をできるだけ長く全うできるように地域の方が見守っておられます。

猫は野生動物ではなく人間とともにある動物ですので、現代の外猫たちにはごはんだけでなく飲み水も必要なのです。

地域猫に飲み水を提供=飲み水ボランティア

水を飲む猫

もしご自宅の近くに地域猫が暮らしている場合、ご自宅のお庭や玄関先に水飲みボウルを置いてあげると外猫たちが水分補給できます。

これが地域猫のための「飲み水ボランティア」になります。

しかし、むやみに飲み水置くのではなく、注意が必要です。

飲み水ボランティアの注意点やマナー

地域猫にごはんや飲み水を与えるボランティアをする際には、守りたいマナーがいくつかあります。

・不妊手術を受けた後の猫かどうか
・近隣住民の理解はあるか
・衛生面に気を付けているか

などです。

不妊手術をしているかどうかチェックする

保護猫活動は「蛇口を締めることと受け皿を作ること」と言われます。

いくら保護ボランティアという受け皿が多くあっても、まずは「外猫の繁殖を止める」という蛇口を締めなければ根本的な解決にはなりません。

外猫の耳をチェックすれば不妊手術済みかどうかが分かります。耳が桜の花びらのようにV字カットされていれば手術済みの猫です。

さくら猫とも呼ばれています。

TNR専門の病院では、このV字カットをするという前提で低価格で不妊手術を受けることができます。

その猫が不妊手術が済んでいるかどうかをチェックすることは、地域猫を見守るために重要なことなのです。

地域の理解と協力が必要

世の中には猫好きさんだけでなく、猫が苦手な方もたくさんいます。

猫アレルギーをお持ちの方もいらっしゃるため、好き嫌いに関係なく猫から離れて暮らしたい方もいるでしょう。

そのため地域猫を見守るためには、近隣住民との相互理解が最も重要なことです。

人にも猫にも衛生面での注意が必要

たとえば水を置きっぱなしにしてボウフラなどの虫が発生すると、近隣住民にも不快感を与えてしまいます。

ごはんを与える際にも、置きっぱなしにしないことや地面に直接ごはんを置かないことなどの衛生的なマナーがあります。

お水に関しても不衛生な状態にしないことがマナーとなります。

なにより外猫が新鮮で清潔なお水を飲めるようにするためにも、外猫用の飲み水の衛生を常に管理してあげましょう。

まとめ

水を飲む猫

自然豊かな環境であれば、地域猫たちは飲み水を自分で確保することも可能です。

しかし小川や湧き水などの清潔な水がある環境は、ひと昔前に比べると大変少なくなりました。

そして地面はほとんどアスファルトに変わり、地域猫にとって夏の暑さはたまらないものになったと思います。

もしご自宅の周辺が「地域猫への理解」がある環境であれば、ごはんだけでなく飲み水も提供してあげることで外猫たちが新鮮なお水を飲むことができます。

しかし近隣住民の中に「猫が苦手」「自分の敷地内に入らないでほしい」と思われている方もいるかもしれません。

まずはご近所さんと「地域猫」についてお話しをしてみることが大切です。

ここで、考えておきたいことがもう1つあります。

ごはんを食べてお水を飲むということは、もちろん排泄をするということです。

外猫に不快感を持つ方の多くは「自宅の敷地に排泄されること」が原因であることが多いです。

この問題を解決できれば、地域猫と住民がより快適に暮らせるようになります。

そこで次回は「地域猫のトイレ」のボランティアについてご紹介します。

chii

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毛玉ライター/犬猫飼養アドバイザー 京都造形芸術大学卒。 家畜獣医師だった祖父がきっかけで、幼少期より毛玉(動物)好きのライター。 現在は犬猫と暮らしながら...

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