高齢になった猫と暮らす。健康で長生きするためにできること。

一緒に生活する猫ちゃんとは、喜びも悲しみも楽しさも分かち合い、たくさんの思い出を作ってきたことと思います。
そんなかけがえのない存在である猫ちゃんですが、年齢を重ねていくにつれて、昔と比べて元気が無くなってきた、できないことが増えた、と感じることはありませんか?
人間と同じように猫にも老化があります。
猫の平均寿命は15歳と言われ、個体差はありますが11歳頃から老化が現れてくるようです。
大切な猫ちゃんが健康でできるだけ長生きできるように、高齢の子をお世話する上でのポイントをご紹介します。
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シニアと呼ばれる7歳頃から準備を始めよう
肥満予防
キャットフードは7歳から「シニア用」となるので、高齢のイメージがあるかもしれませんが、実際には老化が現れるにはまだ早いようです。
この時期は、これから年齢を重ねていくための準備期間とみなせるかもしれません。
7歳頃から徐々に太りやすい体に変化していきます。
人間も年を取ると脂肪が落ちにくくなると聞きますが、猫も同じで年齢と共に基礎代謝が下がってきます。
以前と同じフードを食べていても肥満になる恐れがあるので、シニア用フードに切り替え、摂取カロリーを抑えましょう。
フードを選ぶ時のポイントとしては、低糖質、低脂肪、高タンパクなものを選ぶこと。
袋の裏面にある原材料をよくチェックして、猫の体に良いものを探しましょう。
すでに肥満気味な子の場合、ダイエットさせなきゃ!と思って食事を抜くことは絶対にしないでください。
肝臓に脂肪が溜まって肝リピドーシスという病気を発症する危険があります。
カロリーをコントロールして少しずつ体重を減らしていくのが最善です。
食事の他にも運動によって筋肉を付けることが大切です。
お気に入りのおもちゃなどを使って楽しく体を動かせるようにしてあげましょう。
肥満は呼吸器の病気や糖尿病など様々な病気を引き起こす危険があるので、定期的に体重を量ったり、体型をチェックしたりしてあげて予防に努めましょう。
通院や投薬の練習
高齢になると病気にかかりやすくなるので、頻繁に病院へ行かないといけなくなるかもしれません。
そうなった時に飼い主も猫ちゃんも落ち着いて対処できるように、元気な時から練習しておくと良いでしょう。
まず、病院へ行くためにキャリーに入る練習です。
猫がいる部屋に扉を開けた状態のキャリーを置き、中におやつを入れます。
猫が中に入っておやつを食べ、リラックスして過ごせるまで毎日続けましょう。
慣れない所に閉じ込められて連れて行かれるのは猫にとってストレスになります。
普段から慣れさせておくと、負担が少なくスムーズに行けると思います。
お薬を飲むことも増えると思いますので、投薬の練習もしましょう。
投薬の練習は、まず猫の口を開けて小粒のフードを入れます。
口を開けることに慣れてきたら、フードを喉の奥に入れてみます。
実際に薬を飲ませる時には奥まで入れる必要があるので、この動作に飼い主も猫も慣れておくと良いでしょう。
猫の老化のサイン
きめ細やかなお世話をするためには、老化のサインを敏感にキャッチすることが大切です。
サインとしては、
・遊ぶ時間が減って寝ていることが多い
・動きが鈍い
・トイレの失敗をする
・毛艶がなくなる
・大声で鳴く
などがあります。
猫によって老化の現れ方は異なります。あれ、前と違うな?と感じたら、その子に合ったサポートをしてあげましょう。
高齢猫のお世話のポイント
足腰が弱くなり、動きが鈍ってきた子
体の負担を減らすために、部屋の段差を無くす工夫をしましょう。
ソファーやベッドに飛び乗れないなら、ゆるやかな階段を設置してあげるとスムーズに移動できます。
キャットタワーに登れないなら低めのものに変えるか、片付けても良いでしょう。
無理に登ろうとしてケガをしたら大変です。
猫の目線に立って、危険なものはないかチェックしてみてください。
また、猫が動き回れる範囲内にトイレやお水などを置くことも大切です。
トイレを失敗してしまう子
今まできちんとトイレでできていたのに、粗相をするようになってしまうとショックですよね。
体がスムーズに動かないことや、内臓が弱ってトイレの回数が増えることなどが原因で失敗してしまう子がいるようです。
トイレのトラブルは泌尿器系の病気のサインということもあるので、いつもと違う場所で繰り返し尿を足しているようなら早めに病院へ行きましょう。
どうしてもトイレまで間に合わない、という場合は、ペット用のおむつを使うのもひとつの手です。
毎日のように粗相をして掃除が大変、という時におすすめです。
飼い主にとってもストレスを溜めずにお世話できる方法を取り入れましょう。
まとめ
多くの時間を一緒に過ごして絆を強めてきた猫ちゃんは、高齢になってできることが減っても変わらず愛おしい存在ですよね。
これまで通り、時にはそれ以上の時間や愛情を傾けて、高齢の猫ちゃんのサポートをしてあげてください。
お世話が大変になる時もあると思いますが、一生懸命に生きている猫ちゃんの姿に感謝や感動、愛が深まるかけがえのない時間になるでしょう。