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何歳になったら受ければいい?知っておきたい愛犬の去勢手術の年齢

エリザベスカラーをつけた犬
健康

愛犬に去勢手術を受けさせる予定ではあるものの、いつ手術を受ければよいのか疑問に思う方もいらっしゃますよね。

去勢手術に適した年齢は、犬種による身体の大きさや、その子の成長スピードによっても異なります。

今回は犬の去勢手術に適した年齢の目安をはじめ、去勢手術の概要と流れ、去勢手術を受けるメリットとデメリットも併せて解説します。

去勢手術のメリット・デメリット

まず最初に、去勢手術のメリット・デメリットを知っておきましょう。

メリット

去勢手術を行うメリットには

・オス犬特有の行動を軽減させる
・望まない交配の予防
・性衝動が起こりにくくなる
・生殖器の病気の予防

などがあります。

オス犬といえば、片足を上げておしっこをかける姿をイメージしますよね。

マーキングする犬

通常の排尿とは違い、少量のおしっこを複数箇所にかけるのは犬のマーキングの1つです。

このマーキングを行うようになるのは、だいたい生後5ヵ月〜1歳の頃です。

片足を上げておしっこをし始める前に去勢手術を行うと、成犬になってもマーキングを抑制することができます。

そのほか、性衝動によるマウンティングも抑制させやすいと言われています。

去勢手術を受けると性衝動が起こりにくくなるため、落ち着きを保ちやすくなることもメリットです。

メス犬を求めて脱走をするハプニングを予防したり、性衝動によるストレスをなくしたりすることができます。

そして、未避妊のメス犬と接触した時の望まない交配を防ぐこともできます。

さらに、去勢手術によって生殖器系の病気を予防することができます。

生殖器にまつわる病気には、前立腺疾患、精巣腫瘍、肛門周囲腫、会陰ヘルニアなどがあり、病気によっては年齢を重ねてから患いやすくなるものもあります。

デメリット

去勢手術にはメリットが多くありますが、

・子犬を望めなくなる
・太りやすくなる
・自信を喪失することがある
・手術のリスク

など、デメリットと言えるものもいくつかあります。

去勢手術は全身麻酔下で行いますので、麻酔による副作用のリスクがあります。

麻酔が原因で体調不良を起こすリスクは0.1%前後あるという報告があり、決して高いリスクではないけれど「なくはない」という数値です。

高齢の子、呼吸器や心臓に持病がある子、呼吸器のトラブルが多い短頭種は全身麻酔のリスクが高まる場合があります。

去勢手術によって生殖機能を失うと、その子の子犬を望むことができなくなります。

また、去勢手術によってホルモンバランスが変化しますので太りやすくなる傾向があります。

多くはないものの、もともと気弱な性格の子には去勢手術後にさらに自信をなくしてしまうというケースもあるようです。

去勢手術を受ける年齢の目安は?

カレンダー

子犬(小型犬・中型犬)の場合

小型犬や中型犬の場合、生後6ヶ月〜10ヶ月頃で性成熟に達します。

オス特有の行動を抑制させたい場合は、性成熟に達する前の生後6ヶ月前後、生後5〜8ヶ月ごろが去勢手術の目安となります。

その子の成長スピードや体調によりますので、かかりつけの獣医師と相談しながら決めると安心です。

以前は体重1kg未満では麻酔のリスクが高く危険があると考えられていましたが、現在の医療では安全性の高い麻酔の種類を選択したり、麻酔の導入を慎重に行ったりするなどの配慮が可能になり安全性が向上しました。

欧米では生後2〜3ヶ月頃に手術を済ませることが多く、日本でも幼齢で去勢手術を行う病院もあります。

ただ、幼すぎる頃に去勢手術を受けると肥満傾向が高まるという研究結果もあります。

子犬(大型犬)の場合

大型犬は小型犬や中型犬よりも性成熟が遅く、生後1年ほどで性成熟に達します。

大型犬の場合は早期すぎる去勢手術によって骨格のバランスが崩れてしまう恐れがあるため、大型犬の去勢手術に適したタイミングは生後10ヶ月以降が目安となります。

小型犬や中型犬の場合と同様に、その子の成長スピードや体調を考えて獣医師と相談しながら決めると安心です。

成犬の場合

成犬で迎えた子の場合、去勢手術を計画するならできるだけ早い方がよいでしょう。

手術を行ってもマーキングやマウンティングなどオス特有の行動を軽減することが難しいかもしれませんが、できるだけ早めに手術を受けることで性衝動による興奮、脱走、望まない交配などの心配をなくすことができます。

オス犬に時期的な発情期はなく、メス犬の発情に刺激されて発情を起こします。

発情中のメスのにおいは2km離れていても感知できると言われておりますので、たとえ近くに発情中のメス犬がいなくても落ち着きをなくすことがあります。

愛犬が高齢の場合は特に、全身麻酔に耐えられる体力があるのか心配になりますよね。

確かに高齢ということは手術のリスクが高まる要因になりますが、事前の健康診断や術前検査で異常がなければ手術を受けられることも多くあります。

去勢手術に限らず、高齢だから手術はできないと判断されるわけではありません。

獣医師がその子自身の体調、体力、持病の有無などをふまえた上で「手術を行うメリットの方が大きい」と判断した場合に手術を選択することが多いようです。

愛犬が高齢犬である場合も、担当の獣医師とよく相談した上で去勢手術を受けるかどうか選択しましょう。

タイミングによってメリットが得られない場合も

去勢手術のメリットの1つに「オス特有の行動の抑制」がありますが、マーキングが習慣化した後では去勢手術を受けた後も続ける可能性があります。

マーキングは性ホルモンによるものなのですが、習慣から片足を上げておしっこをする体勢が身についてしまうことも多いです。

マウンティングに関しても去勢手術による抑制効果には個体差があり、マウンティングは性衝動以外の意図でも行うため完全に抑制できるとは限りません。

犬の去勢手術について

手術後の犬

どんな手術を行うの?

去勢手術とは、陰嚢を切開し中の精巣のみを摘出する手術です。

メス犬の避妊手術とは違ってお腹を開く手術ではないため、避妊手術よりも負担が軽く短時間で済むことが一般的です。

成長過程で睾丸がお腹から陰嚢に降りてこない停留精巣の場合は、睾丸が留まっている位置を開腹して摘出手術を行います。

現在では開腹手術ではなく、傷が小さく済む腹腔鏡手術を行う病院もあります。

入院は必要?

去勢手術の場合、病院によって入院の有無が異なります。

当日中に帰れる場合もあれば、1泊入院して手術翌日にお迎えという場合もあります。

停留精巣を開腹手術ではなく腹腔鏡手術で摘出する場合、傷口が小さく済むので当日中に帰宅できることもあります。

手術の流れ

去勢手術は手術前日から準備が始まります。

手術前日はだいたい21時までに夜ごはんを済ませ、12時間以上の絶食を行います。

この絶食は麻酔の危険性を下げる目的で行います。麻酔の副作用で嘔吐してしまう可能性があるので、お腹の中に食べ物があると誤嚥したり窒息したりしてしまう恐れがあるためです。

水分補給に関しては、病院によって、または愛犬の基礎疾患や年齢などによって絶飲の指示が異なります。

かかりつけの獣医師の指示に従って、手術前日〜当日の朝の絶食絶飲を守りましょう。

手術当日の術前検査は任意で追加する病院もありますが、愛犬が手術や麻酔に耐えられる健康状態かを把握するために行う方が安心です。術前検査で問題がなければ、いよいよ手術となります。

手術にかかる時間は、麻酔を含めてだいたい30〜40分程度です。

手術が終了し愛犬が麻酔から覚めたら体調に問題はないか確認し、しばらく休んだ後でお迎えとなります。

万が一トラブルがあった時に備え、飼い主さんは病院からの緊急連絡に応答できるよう手術当日は予定を空けておくと安心です。

費用はどのくらい?

手術、術前検査、入院、処方薬などを合わせると、小型犬で30,000〜50,000円、大型犬で50,000〜70,000円程度の費用が想定されます。

身体の大きさによって使用する薬剤の量が異なるため、小型犬と比べると大型犬の方が高額になる場合が多いです。

術後のケアは?

手術を終えた日のごはんは、普段の半分程度に減らすと絶食状態のお腹に優しいでしょう。

愛犬が食べたがらない場合は、無理に食べさせる必要はありません。当日はなるべく安静にして穏やかに過ごしましょう。

抜糸をするまでは走ったり激しい運動をしたりするのを避け、お風呂やシャワーも控えます。

雑菌が入るのを防ぐため、愛犬が傷口を舐めないように気を付けてあげましょう。

まとめ

獣医師と犬

犬の去勢手術に適した時期は、その子の年齢、成長スピード、身体の大きさなどによって変わってきます。

オス犬の場合はメス犬の発情に刺激されて発情を起こしますので、メス犬ほど手術の時期に焦る必要はありません。

しかし、マーキングやマウンティングなどオス犬特有の行動を軽減させたい場合は、性成熟に達するまでに行うと効果的です。

かかりつけの獣医師とベストな時期を相談しながら、愛犬に適した時期で去勢手術を計画してください。